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圧倒的な恐怖に震え、徳川くんがおる教室から逃げるように出た。
図書室まで走って本棚の途中でしゃがみこむ。
あれは、あのオーラは、恐怖というものを全部混ぜ込んだようなものやった。
彼は本当に私達のことをゴミだと思っておる。ほんやぐに葬り去ることが出来るとも。

『こええ…』

しゃがみ込んだ自分の身を思わず掻き抱いた。
自分を抱いたところで何ぞが変わるわけやねえ。未だに私の身体は震えたまんま。
不思議なことに、心は恐怖で支配されておるというのに頭には、ある男子生徒が浮かんで。
彼の温もりが恋しい、太陽のようにぽかぽかと温かい手のひらで撫でて、強く抱き締めてほしい。
彼へ縋り付きたいこの気持ちは、なんなのやろうか。

「ここにおったのか」
『…利家くん』
「様子がおかしかったさかい、大丈夫け?」

大きな体を畳んで、同じ目線になろうとしてくれる利家くん。
心がぽかぽかとしてくるのが分かる、あぁこの人は本当に太陽のような人や。

『利家くんのおかげで、大丈夫になった』
「大丈夫に見えん。俺しかおらんがや、強がるな」

引っ張られ彼の胸へ倒れ込んでしまう。
じわじわと上がる体温と近い息遣いに心臓が早鐘を打ち、息が出来なくなる。

「俺じゃ、頼りないけ?」
『そ、そんなことない!だって今も、』
「ん?」
『…利家くんに触れて、安心したいって思ってたんや。さっきも、この前の旗印戦の時も、利家くんの大きな手が凄く安心して』
「俺はいつでも行く、1人で泣かれた方が困るさかい」

その優しい言葉と手のひらに、恐怖心がホロホロと溶けて行った。
この時間がこのまんま続けばいいのに、なんて思ったんや。

「一限はサボりだな」
『二限は、調理実習!』
「料理は苦手なんよなぁ」

いつの間にか後ろから抱き締められて座っている状況、なんかこの体勢凄くカップルっぽくない…?と思いながらも、その温もりに身を委ねて一限はサボり。
早鐘を打つ鼓動が伝われへんように、なんて思いながらちびっとだけ芽を出したこの気持ちに目をつぶったんや。

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パンダ - 前田大好きなので応援してます (2022年10月8日 10時) (レス) @page22 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 久しぶりの投稿ありがとうございます!!これからも応援してます! (2022年10月7日 23時) (レス) @page22 id: da4f381cbe (このIDを非表示/違反報告)
naな(プロフ) - 私も前田くん好きなので、楽しみにしてます!頑張ってください! (2022年10月4日 22時) (レス) id: 948a9abe41 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの権左ブロウ - 頑張ってください!応援してます (2022年8月20日 0時) (レス) @page21 id: e25671cd6c (このIDを非表示/違反報告)
あいる(プロフ) - 私も前田くん好きなので楽しく読ませてもらってます!更新楽しみにしてます♡ (2022年8月15日 23時) (レス) id: 8e4d5cdfdc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しろ | 作成日時:2022年8月8日 17時

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