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やばい、追い詰められた…。勝つためにはもう問題は落とせない。
第4問を何とか取った開成高校は最後の1問にかかっていた。
最終問題…正解したのは、俺たち開成高校チームだった。
喜ぶ俺たちに一人、近づいてくる人がいた。
A「本選進出おめでとう!」
izw「ありがとう!」
A「開成って去年も優勝してたもんね。私、応援するね!!」
izw「ありがとう!」
A「あ、そうだ!話しかけたのに名前言ってなかった。私、吉井Aです。えっと、伊沢…伊沢…」
izw「伊沢拓司だよ。これからよろしく。」
A「うん。これからもクイズ大会出会うかもしれないもんね。よろしくね、伊沢くん。」
にこやかな笑顔、爽やかな声…恋に落ちるのに時間はかからなかった。
そして本選に進んだ俺たちは、Aさんの言葉をパワーにし、連覇を果たすことができた。しかし、彼女に会えたのはこれが最初で最後になっていた。
しかし、運命はいきなり動く。
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今日は、中高生を対象にした番組の収録。
問題を解く様子も見せてほしいということで、問題はその場で配られる。
fkr「…なかなかないね。こんな感じ。ちゃんと解けるかなー。」
izw「…福良さん東工大だろ。大丈夫だよ、高校生の問題だぞ…」と言いつつ内心は不安。
そして解き終わり、解説を行った。うん、周りの様子を見ると正解しているよう…
そのまま休憩に入るとスタッフさんが一人、慌ててプロデューサーさんに言いに行っている。
P「はぁ?計算間違ってるって言いたいのか?そんなわけねぇだろ!…はぁ。やっぱりお前を連れてくるんじゃなかったよ…クイズ好きって言うから連れてきてやったのに」
?「でも、おかしいんです。正しく計算したら42分の11になるんです。」
P「計算したってお前、何も書いてねぇじゃねぇか!」
…かすかに聞こえた小さな声。頭の記憶が一気に最終決戦までよみがえる。
何も書かずに計算できるなんて、そんなのあの人しかいない。
気づけば俺は席を立ち、声のもとへ駆け寄っていた。
そして見えたのは空中にピアノのように踊る指。
izw「吉井Aさんでしょ?どこが間違えてるか教えて。」
顔をあげるとあの日と変わらない笑顔が僕に向けられた。
――――――――――――――――――――――――
izw「ね、まだー?もー、いいでしょー。」
『セリフ、カットにすんぞ』
izw「それはお前のさじ加減だよ!」
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こえおん - 私にはなんでこんなに酷評されているのかわかりませんが私は好きです!これからも頑張ってください! (2021年9月21日 23時) (レス) @page17 id: 68c918356f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちむぎ。 | 作成日時:2021年9月19日 21時