第八十一話 ページ1
「−−−−ごめんなんし、お待たせいたしんした」
「おー、そんな待ってねえから、落ち着け」
急いで着替えて、靴を履くことも半分に夜久様の元へ駆けてゆくと、呼吸が上手く整っていない私にそう言い、乱れていたのであろう、前髪を撫でつけた。
「あ、髪の毛…」
「そんな心配そうな顔しなくとも、変なわけじゃねぇよ。 ただ俺が撫でたくなっただけだ」
「ああ、はい…」
そう余裕そうに笑う夜久様に、どきりと心臓が鳴った。 なんだろう、なんだか、昨日と随分雰囲気が変わっている気がして。 よく分かんないけど、一言で言うなれば、すごく大人っぽい。
「そんじゃ、行くか」
「え、あ、はい、…って、どちらへ？」
夜久様は、歩みだそうとした足をピタリと止め、私を見ると、「秘密。 でもこれデートだかんな」とだけ言い、驚いて固まった私の手を優しく引いた。
息をするかのように、さり気なく、手を繋いで。
昨日に立て続け、色んなことが次々頭に入り込んでくる。 そして私の頭は考えるのを放棄して、真っ白になってしまいそう。
だって、だってだって、私全然夜久様のこと知らなかったから。 こんなに大人っぽくてかっこいい人が、私に結婚を申し込んできたなんて。 夢だったのかな、って思うほど、今も意味わかんないし、そんなことでも考えるほど意識してしまうんだから。
「手、痛くねえか？」
「は、はいっ！ ダイジョブ、でありんす…！」
「…そうか、ならよかった」
夜久様が心配するように手の力を緩めてからそう私に問うた。 考え込みすぎて、あまりにも私が静かすぎたからか。
そしてその時、私は感じた。
この人は、本気で私のことを好きになってくれてるんだな、って。
私を映した瞳、かけた声のトーン、柔らかな表情。 恋愛とか、そんなのには疎いけど、今の夜久様はなんだか完全に、恋する乙女みたいだ、と思った。 男の人なのにね。
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多趣味のM(プロフ) - そこで!?って叫んじゃいましたｗ続き気になります!!更新待ってます!! (2020年10月18日 15時) (
レス) id: 2c30e4e7ea (このIDを非表示/違反報告)
ねこ。 - 今まで読んできた吉原の小説で一番面白い作品です！頑張って下さい！私は作者様を応援しています！ (2018年4月28日 12時) (レス) id: 8444393bfc (このIDを非表示/違反報告)
まむ(プロフ) - 何度も読み返させて貰ってます！大好きです！また更新されるのをまってます！ (2018年3月10日 14時) (レス) id: f3b21a5c27 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 最初から楽しく読ませて頂きました！とても面白く、素敵な作品に出会えて嬉しいです、！それと同時に続きがとても気になります、、もう更新される予定は無いのでしょうか？大変だと思いますが、大好きな作品ですので更新楽しみに待っています！！ (2018年1月29日 22時) (レス) id: f709374f1c (このIDを非表示/違反報告)
おばりょん(プロフ) - まだ、完結してませんよね？？これからも応援してます！ (2017年8月7日 16時) (レス) id: 571bd0a238 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星月夜 | 作成日時：2017年3月26日 8時
