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第十四話 ページ14

それじゃ。と、
黒さをかき消したような笑顔を見せて、
及川様は離れていく。




な、に...今の。





私はというと、
まだ状況がよくわかっていない。






「アッ!!このクソ川!!此処にいやがったのか!!」


「ゲッ、岩ちゃん!!」



遠くでそんな会話が繰り広げられているとき、
彼女は自分の頬に触れる。





「今日お前が来ないせいでまた俺の立場
悪くなったっつの!!ふざけんな!!」


「ぎゃっ!ごめん!ごめんて!!」





まだ、鮮明に残る感覚。


頬に触れた、あの。
抱きしめられた、その。
囁かれた、この...




よく分かんないけど、自分が熱くなっていく感覚。






「あ、あぁぁあぁぁああぁ...」





彼女は耳まで真っ赤にして、
何分間かその場にへたりこんでいた。




遠くではテキサスクローバーホールドはやめて!!
という及川の悲痛な叫び声が響いていたという。

















「A!お帰り!」


「えっ、あっ、ただいま...」



明日、お披露目だからなのか、
姉さんたちの『おかえり!』にも力が入っている。




でも生憎私は元気よく『ただいま』なんて
言える気分ではない。




「どうしたんだい?」


「いやぁ、疲れただけです...」


「んー、そうかそうか、
まぁ悪いけどすぐ店に出てもらうから、
ぱっぱと夕飯食べちまいな。」


「はい...」



疲れたっていうのは、色んな意味を含んでます。




そして私は一度部屋に戻り、
荷物を置いて、裏方用の地味な着物に着替えて、
夕飯を貰いに行った。




「A、居残り練習長すぎだよ。
夜ももうすぐ始まるから、もう此処で食べちまいな。」


「ええっ、はい。」



最近は自分の部屋に持っていって食べてたけど、
久しぶりに共用の机で夕飯を食べる。



今日のおかずはカレイの煮付け。




私も基本として作らされたっけな。
ま、いいや、今は食べてしまおう。




お披露目の日が近づくたび、
私はよく昔のことを思い出してる気がする。





思い出したくないことも沢山あるけどさ、
なかなか忘れらんないもんだもんねぇ。


(酔っ払ったお客さんに襲われそうになって
殴ってしまったとかは早く忘れたい...)




パクパクと口にご飯を運ぶ。
うん、おいしい。 けど少し生姜多くね……?

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作品ジャンル:アニメ
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- 黒尾鉄朗がっごいいいいい (2015年3月21日 9時) (レス) id: 6d17eb9fea (このIDを非表示/違反報告)
りっさん - 夜久さん素晴らしいです。グッジョブです!! (2015年3月18日 22時) (レス) id: 9319e60931 (このIDを非表示/違反報告)
- 第29話の三行目の黒尾様が__ってところ黒男様になっています!あ、これわざとでしたか??でも気になったので指摘してしまいました;;; (2015年3月15日 16時) (レス) id: 0fb612002d (このIDを非表示/違反報告)
星月夜(プロフ) - かよさん» 本当ですか!!?もうその一言だけで今胸がいっぱいになりました。ありがとうございます...! (2015年3月15日 11時) (レス) id: c4da7f23ba (このIDを非表示/違反報告)
星月夜(プロフ) - 7時さん» 嬉しいです...!ありがとうございます!!赤葦さんかっこいいですよね(笑) な、殴られました!?さらっと言ってますが大丈夫ですか!?(笑) 更新頑張ります!! (2015年3月15日 11時) (レス) id: c4da7f23ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星月夜 | 作成日時:2015年2月26日 12時

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