あの人の妹はFightingGirl! samurai (ページ43)

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始まりの日ページ43

F2side

"あの日"なんて言われたもんだから心臓がどくん、と鳴った。

あの日の光景、か細い息遣い、すすり泣く声全てが蘇ってきた。

初めて触れた彼女の身体は氷のように冷たかった。

「思い出さなくて良いのに。」

苦しくなるだけだから。

たった一人の妹には幸せでいてほしいから。

.

全ての始まりは2012年、俺が入団して3年ぐらいしかたってない頃。

当時から親しくしていた翔さん(実際は知りません)に連れられて東京へ飲みに行ったとき。

F6「…そこ、誰かおるんちゃうん？」

「はい？」

翔さんが指差す方には路地裏でうずくまっている黒い影。

風邪引きますよ、と声をかけても反応がなく、大丈夫かと疑いながらその額に手を当てた。

「！？翔さんこの子熱ありますよ！」

F6「マジか！？」

すぐに実家の母に連絡し、急いでその子を家に運ぶ。

使われていなかった俺の部屋に寝かして、目が覚めたのは三時間後くらい。

きょろきょろ周囲を見回して、第一声がこれ。

『…ここの人も野球、すんの？』

これには翔さんと二人で拍子抜けした。

「俺のこと、知らない？」

『知らん。』

敬語の欠片もない関西弁で答えてきた。

F6「俺はわかるやろ？」

『ファイターズの中田翔…さん。元大阪桐蔭の人でしょ。』

F6「知っとんか！？」

『友達に二人、大阪桐蔭の人いるから。』

じゃあ高校生ぐらいかな？と思ってた。

「え、何歳よ？」

『13。』

「「13歳！？」」

そんなに幼いとは思わなかった。