あの人の妹はFightingGirl! samurai (ページ5)

今日:2 hit、昨日:16 hit、合計:59,165 hit

精神安定剤。ページ5

そのまま試合は進み、8回。マウンドにはみゃーさん。

投げてるのを見てて、何か違和感がした。

『…焦ってる？』

何というか…投球が荒い。

感情が先行してる。

レフト前ヒットと二者連続の四球。ノーアウト満塁になったところでタイムがかかり、私を含む内野陣は宮さんの元へ駆け寄る。

いつもは頼もしいその背中は、とても小さく弱く見えた。

『宮さん、』

F25「A、ちょっとだけこっち来い。」

言われるがままに彼の元へ近寄ると、そのまま私の身体は彼の腕の中へ。

F25「俺、ここおってええん？思い通りに投げられへんし、こんなピンチも迎えて。」

『宮さん以外、この場に立てる人って誰がおんの？』

F25「まっすーとか、裕樹とか、それこそAとか…」

『馬鹿か。』

(仮にも)先輩に向かって「馬鹿」と言い、さらに軽く平手打ちまでしたのは反省します。

でも今はそんなこと、問題ではない。

F25「お前、今馬鹿って…」

『うん。言うたで。やって宮さん馬鹿やし。』

F25「お前……(怒)」

『やってさ、今、この瞬間にマウンドに立っとんのって宮さんしかおらんやんか。ここで決めんくて、いつやんの？』

『私はあんたの代わりにはなれん。ただ、あんたの助けはできる。…ショート方向に来た球全部、取ったるわ。』

その背中を一回、強く叩いた。

『ここで決めな尼崎の番長の名が廃る。そうやろ？』

F25「…せやな。」

『…やっと笑った。やっぱ、みゃーさんは笑顔の方が格好いいですよ。』

みゃーさんに暗いのは似合わない。やっぱりエブリデイ構ってちゃんじゃないと！←

『頼みますよ。』

「当たり前やろ。0点に抑えたるわ。」

.

『…すげぇ。』

三者連続三球三振とか初めて見たわ。

F25「やろ？」

『わーすごーいさすが宮さん。』

C33「棒読みの天才かよ。」

F25「A、俺のこと"馬鹿"って言いよったよな？」

『(ヤバい)あ、はい、、、』

F25「試合後話しよか―。」

…事実上の死刑宣告やん。