Could you help me? ページ20
『なんでおんのよ。あんたとは会わん言うたやんか。』
大阪に滞在する最終日。会いたくなかった人に二日連続で会ってしまった。
『私は結婚なんかせんから。野球を続ける。それが答えやから。帰って。』
彰「それについて、考え直してほし」
『はあ?考え直すことなんかないやん!私が決めたことやし。もうあんたらの指図は受けん。
帰れ。二度と私の前に姿を見せんな。』
二人に背を向けて立ち去ろうとした瞬間。
「ちょっと待ってもらおか。」
『はあ?』
明らかにあっち系のガラ悪い人達が。
「姐さん、やってええんすよね?」
真緒「勿論。」
真緒が姐さん、か。せっかくのいい名前が台無し。
『ホンマに何なん?私はそっちに戻らん言うた、、、』
言いたいことも言えないままになった。
首筋に殴られたような痛みが走り、その場に倒れるように膝をついた。
視界が歪んで、前を見ることすらできない。
『そこまでして私を殺したいんか…!』
弱々しい声で、精一杯相手を威嚇する。
彰「殺しはしない。ただ、親に逆らうとどうなるか教えてやっただけだ。」
こんなの指導じゃない。虐待だ。
最後、私に冷水を浴びせて去っていった。
いくら四月といえど夜は冷える。
震える身体は指の一本も動かせなくて。
ただただ虚しさと無力感でいっぱいになった。
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作者名:神瀬結衣@虎党 | 作成日時:2019年3月3日 0時