会社の同期は鈍感でした。-Y.K × R.N-

４3 ページ45

岸side









沙希さんに怒鳴られた日から

早数ヶ月。

Aが好きだと気付かされてから

俺、かなり変だ。

あいつの前でちゃんと笑えてるかな…。

けど、だからと言って

行動を起こす勇気はもっぱらない俺。

だって、永瀬とAは付き合ってる。

俺の入る隙間なんてない。

こんなことになるなら

今更こんな気持ち、気づきたくなかった。



Aが永瀬と笑い合ってるだけで

胸がムズムズするし

一緒に帰っていく姿を見る度に

泣きたい気持ちになる。



Aの家に泊まってるって聞いたし、

もう、俺より永瀬の方が

Aのこと、たくさん知ってるんだろうな。

手料理も食べてんのかな。

お風呂上がり、ドライヤーとか

してやってんのかな。

ベットは同じなのかな…



考えれば考えるほど辛くなって

3人で食べる昼飯も

たまに嫌になる。



俺とAを繋ぐものといったら

もう、ほぼこの昼飯の時間だけなのに。



もっと早く気づいていれば

違ったのだろうか。



なんて、今更考えても

仕方ないことはわかってるんだ。









.

４4→←４2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す