会社の同期は鈍感でした。-Y.K × R.N-

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岸side









「沙希さんのこと…」


沙「え？なに？(笑)」


「…あー、いや！なんでもないっす！」


沙「えー、何それ？(笑)」


「すいません…」



本当、俺は根性無しだ。

丁度戻ってきたAと永瀬を見つけて

「好き」を言えなかった。



沙「ていうか岸くん、何も食べてないじゃない。

休憩終わっちゃうよ？」


「あ、はい、そっすね…」



俺がパンをかじると

じっと見つめてくる沙希さん。



「あの…そんな見られると…」


沙「ふふ、だって可愛いんだも…

あ、間違えた。かっこいいんだもん。」


「ははっ、それ訂正になってませんから。」


沙「ごめんなさい。(笑)」



沙希さんは、「じゃあ、行くね。」

と言って、俺の頭を軽く撫でて

行ってしまった。


完全、俺のこと子供扱いしてんじゃん。


…でも、嫌じゃない…かも。


さっきまでどん底だった気持ちが

少し明るくなって

口元が緩んだ。









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