同じクラスなだけ (ページ9)

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お隣さん同士がみんなはわちゃわちゃしているのに

私達の場所だけなんかシーンとしてる雰囲気

「…あの、渡辺くん。」

渡辺「なに、」

「渡辺くんはなにか好きなものある…？」

渡辺「はぁ？お前そんなこと興味ないだろ。」

渡辺くんはため息を付きながらそう言う。

その姿を見て一生懸命に出した質問だったのになって。

渡辺「逆にお前は何が好きなの。」

渡辺くんからの突然の質問にびっくりする。

「え、私は本読んだり…そら見たり…、」

渡辺「わぁ、マジで真面目ちゃんじゃん。」

「真面目じゃないよ…、」

渡辺「俺、だってそんなことしたことないもん」

そのあと返す言葉が見つからなくて会話終了になってしまったけど少しだけ、ほんの少しだけ。

「会話してくれてありがとう。」

渡辺「ん、」

会話できたことだけでも嬉しくて。

深澤「次の授業体育だけど……、ここ男子着替えるよ、」

なんて言って私の方に近づいてくる。

「え、」

深澤「和泉さんたちの着替える場所音楽室だよ。」

知らなかった、だから渡辺くんずっと隣りにいたのか。

ちらっと渡辺くんを見ると

渡辺「早くいけ。」

なんて言う。

このときカバンを探したからわかったの。

体操着がないことが。

でもここでバレたら忘れたんだってことになる。

忘れてはない、ちゃんと持ってきたもん。

バレないようにカバンを手に取り

「長々とゴメンなさい」

なんて言って音楽室に急いだ。