同じクラスなだけ (ページ24)

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渡辺「なに、和泉さんが座れって言ったんでしょ。」

自分も席に座ると私の驚いていた表情を見てかそう言ってくる。

「あ、いや…まぁそうなんだけど…、」

渡辺「ふっかたちには言わなくていいの？授業始まるから席すわろーって。」

「そんな…いえるわけない…、」

渡辺「じゃぁ…なんでさっき俺には言ったんだよ。」

「それは………、」

多分…渡辺くんなら…って思ったから。なんだかんだ私の近くにいてくれてると思ったから。

なんて本当の気持ちは何かいえなくて。

渡辺「理由ねぇのかよ。…もう少し喋れたのにな。」

なんて渡辺くんはそう言って窓の方に顔を向けてしまう。

「…………ごめんなさい」

渡辺「別に…、授業始まるのはホントだから」

なんて私にしか聞こえない声で。

深澤「なべー帰ろーぜー。」

放課後、またほとんどの人がグループを作って話したりどこか遊びに行くとかの予定を立ててたりしてる。

そんな会話がしてるこの教室から早く帰りたくて誰にも気づかれないように立とうとすると…、

渡辺「……」

渡辺くんが私の腕をつかむ。

　「なんですか…、帰りたいんですけど…」

渡辺「ふっかー。和泉さんも連れてっていい？」

深澤「え、まぁいいけどー、」

渡辺「じゃぁ決まりな。」

「は…？なんのことですか…？」

またなんかされるのかな…、

渡辺「カラオケ、俺らいくから。和泉さんも来ること決まった。」

え…？急な展開に戸惑いを隠せないよ…？

深澤「早くしないと置いてくよー。」

渡辺「今いく、」

なんて言って渡辺くんは私の腕をつかんで歩きだす。