近くて遠いキミ【佐野万次郎】

47⌇希望の未来へ ページ49

「マイキー！プロポーズの言葉は？」

「聞きたいッス！」

「ん？忘れちゃった」

「嘘つくなよ」

「嘘じゃねーよ。プロポーズしたのなんて12年も前だし。そんな昔のこと覚えてねェ」

「Aは？絶対覚えてるでしょ？」

『どうかなぁ？』

「あ、ずるい！誤魔化してる！」

「オイA！吐け！」

『パーちん、重い〜』

「オイ、パー、勝手にAに触んな！」

「でたよ、マイキーの独占欲」

「ぁあ"？結婚したんだから独占すんの当たり前だろ？」

「A…なんかあったらいつでも相談しろよ？」

『ありがと、タカちゃん』

「チッ、三ツ谷にだけは絶対相談すんな！」

「場地さんにも2人の姿、見せたかったっスね…」

「どうせ見てんだろ。どっかその辺でペヤング食いながら」

『見てくれてるかな？』

「Aのこと幸せにしなかったら、マイキーぶっ殺す！とか言ってそうだよな」

「マイキー、場地から祟り殺されないように気をつけろよォ？」

「大丈夫。ぜってぇ幸せにするもん」

「うわぁ…なんか聞いたらこっちが恥ずかしくなるわ…」

『ふふっ』


ねぇ、マイキー。本当は12年前よりもっとずっと前にプロポーズしてくれてたんだよ？
マイキーは忘れてるかもしれないけど、あの話には続きがあって…


　「…A、なに探してんだ？」

　『…シン兄は？』

　「さっき出かけた」

　『そっか…』

　「…オマエ、シンイチローのこと好きなの？」

　『うん！すき！』

　「…シンイチローのどこがいいの？」
　
　『んー、かっこいいところ！』

　「ふーん…じゃあオレはシンイチローよりもかっこよくなってやる！
　 めちゃめちゃ強くなって、日本イチのチーム創るからな！見てろよ！」」

　『…マンジロー！空手おしえて！』

　「あ？なんで？」

　『Aもつよくなりたい！』

　「オマエはつよくなる必要ねーよ」

　『なんで？』

　「おれが守ってやるから！」

　『マンジローが？』

　「おう。その代わり…おれのヨメになれ！」

　『ヨメ…？』

　「ずっと、オレのとなりにいるんだぞ！」

　『…うん！わかった！』




一番近くにいたのに、だいぶ遠回りしちゃったね。



10年後も20年後も、皺くちゃになっても、ずっとずーっと隣にはマイキーがいて、周りには大好きなみんながいる。


そんな未来になりますように！



-fin-

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