裏方らいふ

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洲「そのっ、前に約束させて頂いてt」
「痛っ！何よ何よ」



リ「、んっ」





突然、Aさんの膝の上のリリーさんが
モゾモゾと動き出す





「ちょっと！痛いねんけど」


リ「……っ背中痒い、」





そう言ってもがいてるけど
ジャケットが邪魔して届かないようで






「動かんといてって」


リ「届かんのやもん」


「もー、……どこ？」





何の迷いもなく服の下へ手を入れて
掻いてあげるAさん



この人らって普段からこんな感じ？

俺、また置いてきぼりなんですけど






リ「ちょい左…あぁいきすぎやって！」


「分からんわ。この辺？」


リ「そこ、！もっとガリガリやって」


「はいはい＿＿ で、洲崎何やっけ？」





リリーさんが目を瞑ったのを確認して
再び、切り出す





洲「前に言って頂いたご飯n」
リ「なあ、ちょっと上も」


「病院行きや？前もあったやん」


リ「時間出来たら行く」





……毎回良いとこで入ってきはるのは
偶然なんかな







「何回もごめんな。で、何やっけ？」



洲「いえ。…えっとだから食事に行k」
「痛い痛い痛い！やから動くな！」




リ「Aが手ぇ止めるからやん」


「もうええやろ」


リ「まだかいぃもん。寝れん」


「あんたは猫か」






頭をぐりぐりと押し付けてるリリーさん



言っちゃ悪いけど、

………この猫 邪魔やな



閉じていた目が一瞬、こっちを見た気もする







リ「前に猫飼いたいて言うとったやん」


「手のかかる猫はお断りや。
　＿＿ホンマごめん洲崎、何？」




洲「あ、その…
　 今日もよろしくお願いします！」


「、うん？頑張ってな」






男洲崎、今日のところは引き上げます。



お辞儀して顔を上げた時

不思議がっているAさんの膝の上で
猫は……


口角が上がっていた








リ「＿＿ さっきの奴行った？」


「洲崎？ネタ合わせに戻ったんちゃう」


リ「100万年早いわ……っし、顔洗って来よ」



「？、何やったん」






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リ「何やそれ。覚えとらん」




膝の上の人は本当に覚えてないようで
興味無さそうに携帯を触っている






リ「めっちゃ余裕無い奴やん俺」


洲「まあ僕も見かけチャラかったんで」




あれから俺は彼女が出来て結婚もしたけど
この人は結局、ずっとやもんな


…なんか猫じゃなくて犬にも見えてくる







ジャケットの下に手を入れて背中を撫でると

笑って「止めえ」と制された


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