episode6 ページ1
ハルトside
「A、めっちゃ綺麗！」
「ほんと？良かったぁ」
「あんま着たことない衣装だったんで心配だったんですけど、オッパがそう言ってくれるなら安心です」
煌びやかな衣装に身を包んだAは、
ヒョンソギヒョンに褒められて、
嬉しそうに顔をほころばせている。
がやがやとした楽屋の中、
私服でのんびりと会話をしているのは俺たちだけ。
周りの人達は忙しそうに、
辺りを行ったり来たり。
それは、Aも例外ではなくて、
少し俺たちと話が出来たかと思えば、
すぐに遠くから名前が呼ばれる。
「Aさーん！」
「あ、はーい！」
「ごめんなさい、オッパ、呼ばれたんで行きますね？」
「うん、頑張っておいで、ウリA！」
「はい！」
ここは、Aのソロ曲の撮影現場。
元々、Aはソロでデビューする話があった。
それほどにも、Aの実力は群を抜いていた。
結局、色々な理由、タイミングが重なり、
TREASUREとしてデビューすることになるが、
会社はずっとソロでの活動もさせたがっていた。
2年弱、TREASUREとして少しずつ知名度を上げてきた。
だが、その中でもA単独の人気は目を見張るものがあった。
YGの女の子としてはBLACKPINK先輩以降4年ぶりであり、それも男性グループに紅一点としてのデビュー。
とんでもない話題性にどんなやつかと思えば、
あのビジュアルに高い実力。
世間からの注目を浴びるのも、
人気が出るのも、
もはや必然だったんだろう。
このソロ曲の話も来るべくして来たものだ。
「Aヌナ、めっちゃ似合ってますね」
「衣装も髪も」
「うん、だよなぁ、」
「なんか、こうやって見てると、Aが俺らの知らない人みたい」
「俺もそう思います」
少し離れた場所で、
スタッフさんと話をするA。
それを遠目で見つめる俺とジフニヒョン。
衣装は黒のミニドレス、
タイトめで露出の多いそれは、
Aのラインの美しさを際立たせている。
普段は俺たちに合わせてボーイッシュでカッコイイものが多い衣装。
今回みたいに、かっこよくも、女性らしい姿を見るのは初めてに近かった。
それに、このソロ曲に合わせて
真っ黒だった髪を金髪に染めたA。
元々非現実的なビジュアルの持ち主であったけど、
この髪色になってからはそれがさらに助長され、もはやCGのようにすら見える。
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作者名：もなか | 作成日時：2022年10月4日 12時
