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「 あ、家だ…送ってくれてありがとう。…それじゃあ、また夏祭りね。 」
「 うん、じゃ。 」
玄関のドアを開けて家の中へ入る。パタン、と小さい音を鳴らして閉まったドア。私はドアに背を預けて、ズルズルと座り込む。思わず押えた口は、自分でもわかるほどに熱を持っていた。
「 …はぁぁ、心臓に悪い。 」
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そして待ちに待った8月30日。受験や夏期講習で忙しいが、きちんと8月30日だけは予定を開けておいた。
お母さんに頼んで新調した浴衣を着付けてもらう。この日のために伸ばした髪の毛でお団子に結った。
「 はぁ…高校3年になってようやく春が来るとはね…ま！頑張りなさいよっ！ 」
そうお母さんに言われ背中をバシ！と勢いよく叩かれる。ヒリヒリするが、緊張と中和して落ち着いてきた。下駄を履いて、からんころんと音を立てながら伊東くんとの待ち合わせ場所に向かう。
近づいていく度にヘアメイク崩れてないかな？汗かいてないかな？と心配になるが、それ以上に楽しみだった。
集合場所に着くと、もう先に伊東くんが待っていた。私は小走りで伊東くんの元へと行く。
「 ごっ、ごめん、おまたせ…待った？ 」
「 ……い、や。俺も今来たとこ… 」
伊東くんの服装は普段通りで、そこが彼らしいなと感じる。私の姿を見て固まってしまった彼を見て、一気に不安が押し寄せる。
張り切りすぎてるって思われちゃったかな、変だと思ってる？そんな考えばかり浮いてきて気分が沈む。
「 あ、ごめ…張り切りすぎちゃった、かな。伊東くん洋服だし… 」
「 いや、そんなことない。…思ったよりも似合っててびっくりしてた。お団子かわいい。 」
かわいい、この言葉を頭の中で反芻する。時が止まったかのような感覚になり、顔に熱がどんどんと集まる。今の顔絶対赤いな、なんて考えたらもっと照れてしまい、顔の前で手を扇いだ。
胸がきゅーっと締め付けられるような感覚が止まない。
(本当に心臓に悪い…)
そんなことを思いながら伊東くんの隣を歩いた。
「 結構屋台出てるね！伊東くん何食べたい？ 」
「 俺？んー…なんでもいいかな。あー、でもガッツリ食いたいかも。 」
伊東くんらしい回答に思わず笑ってしまった。伊東くんのそばにいると楽しくて、時間を忘れてしまう。そしてとうとう花火が打ち上がる時間になった。
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ゆりこ(プロフ) - 続編是非是非お願いします🙇♀️💓 (2023年3月21日 0時) (
レス) @page49 id: 77cf571e3a (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - こんばんは。続編、ぜひお願いします。面白いので。。 (2023年3月20日 20時) (レス) id: d7601bed17 (このIDを非表示/違反報告)
ヒョナ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます📔♡ 続編希望です！！リクエストもまたさせていただきたいです☺︎ (2023年3月20日 19時) (レス) id: 915f0aebf7 (このIDを非表示/違反報告)
ミミミのミ(プロフ) - 続編希望です…❥🫣リクエストも思いついた時に送らせていただきたい所存です(p_x)❕ (2023年3月20日 19時) (レス) @page49 id: 2bc7b134a4 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - ミーこさん» わざわざお返事ありがとうございます。ミーこさんの文章は中毒性があり、続きを読みたくなります。本当にお金出して依頼したいくらいお気に入りです。これからも手が空いた時で良いのでよろしくお願いします。 (2023年3月15日 21時) (レス) id: d7601bed17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミーこ | 作成日時：2023年1月15日 13時
