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其ノ弐拾陸 ページ27

「残念ですね。不死川さん」


そう胡蝶が声をかけると青筋を立てる不死川。


「あんまり無理しちゃダメだよ?」

「分かってるよ」

「今度ちゃんとした剣を貰いに行こうね」

「緊張するなぁ……」


そんな会話を繰り広げる様子を見ていた2人。胡蝶が不死川に「言わなくていいんですか?」とコソコソと聞くと、「うるせェ!」と言って帰ってしまった。


「行ってしまいました……。時透君、あまり強く抱きついてはダメですよ?Aさんは病み上がりなんですから」


黙って離れる無一郎の頭を優しく撫でるA。


「お二人は仲良しなんですね。姉弟みたいです」

フフと笑いながら言う胡蝶を見て、時透とAはお互い顔を見合わせる。


「……お姉ちゃん?」


首を傾げて聞く時透。


「僕……これからお姉ちゃんって呼びたい……かも」


恥ずかしそうにもじもじと聞く時透に、ニコリと笑いかけて良いよと言うと嬉しそうに笑顔で喜んだ。


「姉さん……」


ぎゅっと抱きついてくる時透を優しく抱きしめる。


「何時でも会いにおいで」

「っ……うん!任務で死なないように頑張ってくる!」

「もちろん!」


良くなったらどこかいこうね!といってばいばいと手を振り帰っていく無一郎を見送った。


「さて、Aさん。あと四日は安静にして治りましたらお館様に顔を出すよう言われました。お館様も大変喜ばしいと言っておりました。
ですが、鬼の根源を倒した訳では無いのですぐにでも下弦の陸は代わりの鬼が入れられるだろうと」

「なるほど……全ては鬼舞辻にありってことですね」

「そういうことです。日々精進ですね」

「はい……頑張ります」

「まぁ気を落とすことはありません。ほかの柱の方々もたいへん驚いておられました」


その後はもう、宇髄やら冨岡が籠いっぱいのフルーツを持ち訪ねてきた。
みつりちゃんは半分泣きながら和菓子を持ってきた。
特に宇髄は嫁三人を引連れてきた為とても賑わった。


五月蝿すぎて途中でしのぶさんが追い出そうとしてたけどね。

一段落した頃にはもう日が落ちていた。


「そう言えば……」


さっき実弥さんなんて言おうとしてたんだろう……。
許可が降りたら明日聞きに行こうかな。

その時に自分の気持ちを言ってしまおう。
なんて思うだけで頬が赤くなるのが分かる。別に今まで恋人がいなかった訳では無いが、今回は話は別だ。


「……緊張するな」





結局この日の夜は眠れなかった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , トリップ   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:かふぇもか | 作成日時:2019年11月3日 15時

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