其ノ拾肆 ページ15
不死川side
「着いたぞ、じゃあなァ」
蝶屋敷に戻り、そう言い帰ろうとすると、Aの変化に気づいた。
「……」
「なんだァ……どうした」
「今日は任務ありますか?」
そんなことを聞いてどうするんだと思いながら、「無ェよ」とひとつ返事で答える。
「……そうですか……夜ご飯一緒に食べません?」
「あァ?」
なんでそんな突拍子もねェ事をいつも言うんだこいつは。
「食うところがねェだろうがよォ……」
「じゃあ作ります」
「……お前ェ……まさか」
「はい、実弥さん家に行かせてください!」
「断る」
馬鹿なのかこいつは。
嫁入り前の女が、一人暮らしの男の家に行きたいだなんざ、許されるわけねぇだろォ。
「良いじゃないですか、とても仲が良くて」
そう言い、突然間に割って入ってきたのは胡蝶だった。
「アオイに夕飯入らないと伝えてきてください。Aさん」
「おォぃ……待てよ」
「分かりました!」
こっちの話なんざ聞きもしねェ。
駆けて屋敷の中に入っていくAを横目に深いため息をついた。
「さぁ、どういうつもりなんでしょう」
「それはこっちのセリフだァ」
「あの、不死川さんが、甘味処まで連れて行くなんて、随分あの子が可愛いんですねぇ」
くすくすと笑う胡蝶に舌打ちをする。
「うるせェ……」
「…彼女は忘れてはいませんよ」
「……どういうことだァ」
「私にもわかりませんが、違う世界から来たのは事実。そのうち解決すると御館様が言ってました」
「……そうかよォ」
「…まぁ、Aさんに手を出したら、私の毒で殺しますからね?」
ニコッと貼り付けたような笑みでそう言う胡蝶は、それだけ言って帰って言った。と、同時に入れ替わるようにAが戻ってきた。
「じゃあ行きましょう!」
犬みてェにキラキラした目で見てきやがるからデコピンしてやった。
痛い痛いと騒ぐAを横目に、「行くぞ」と言って歩いた。
「実弥さんは、おはぎ以外で好きな食べ物ってあるんですか?」
「……ねェな」
「……ちゃんとご飯食べてます?」
「食ってるわ」
こう見えて自炊して飯食ってるなんて、ぜってぇ言わねェ。
「着いたぞ」
「一人暮らしなんですか」
「あァ」
扉を開けて玄関へと入る。
「おじゃまします……わーなんか実弥の見た目だともっとボロいかと思っ痛あ!!」
「次言ったら叩き出す」
「……ごめんなさい」
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謎が深まる主人公…
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作者名:かふぇもか | 作成日時:2019年11月3日 15時