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｢亮ちゃんは優しいなぁ｣
はぁ？
｢そういうところ僕は好きやで｣
意味がわからへんかった
俺、お前に優しくした記憶一切ないで
適当な言葉は
聞きたくなかった
嘘の言葉やから
俺はたくさん嘘の言葉を聞かせているのに
なに自分勝手なこと言うてんやろ
けど
こいつの適当な言葉は
なんか聞きたなった
｢そのまんまの亮ちゃんがええな｣
このぽやっとしたタヌキには
不満を零して
怒りを放って
嫉妬を露わにして
あ、そっか
これがええんや
放し飼いぐらいが丁度いいんや
ハウスしたらでいい
めいっぱい甘やかされるん
タヌキの瞳ん中で
溶けてる俺は
チワワみたい
キャンキャン騒いで
クゥンて寂しなって
キュルキュル甘えて
ま、えっか
そん時だけは
俺はお前に勝たれへん
どーせ
惚れた方の負けやねんから
end.
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作者名：時音 | 作成日時：2021年7月23日 22時
