to you .4 (ページ16)

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あの後、子供たちがどうやって部屋に戻ったか僕はあんまり覚えてない。

けど、次の教室の日

｢僕らに絵を教えてください｣

って

病室から動けないヒナちゃんに、絵を描いていろんなものや景色を見せてあげたいと

真剣な眼をしてやってきた

まだちっちゃいこの子たちの強さと優しさに僕の眼には水が張った

返事はもちろん、がんばろうな

その後もヒナちゃんのために何度も絵を描いてこっそり渡しに行っているらしくて

教室で会った日には、その時のことを嬉しそうに話してくれるから

僕もまだ会ったことのないヒナちゃんのこと思い浮かべて、少しくすぐったくなる

そんな、ある日の教室で

絵を書き終わった子供たちが

｢章ちゃん描いてや｣

｢俺らやと限界あるし｣

｢おっきい絵もあげたい｣

｢もっと綺麗な世界見せたりたいねん｣

｢章ちゃんお願い｣

｢でも…｣

今までの話を思い出す限り、その子の部屋は入ったらあかんのやろ？僕も普段病室のある棟へ行くことないから看護師さんたちに怪しまれてしまうと思うんやけど

｢章ちゃん？｣
｢やす…｣

｢｢｢｢｢おねがいします!!｣｣｣｣｣

今まで自分の病気と戦いながら、友達のためにがんばってきてるこの子たちのお願いを、聞けないわけがなくて

｢わかった。ヒナちゃんのお部屋に連れてってくれる？｣