今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:16,864 hit
小|中|大
.2 ページ23
「ただいま」
「おかえり。今日早かったな」
ソファーの上で片足を抱え、ピコピコとゲームを続ける兄
おっしゃ!っと思いっきりガッツポーズをする姿はまるで小学生のよう
「どうしたん、なんかあったか?」
人の機微に聡い兄ちゃんの、さっきまでの少年のような無邪気さとは打って変わった、低く優しい大人の声
「なんでもないで? ちょっと部活で疲れたんかもしれへんな。」
いつものように笑顔を貼りつけてセリフを読み、訓練した行進をする。
その深い海へ沈んでしまわないように
「忠義。」
積み上げた椅子が崩れないように
「俺じゃ頼りないかもしれへんけど」
膨れ上がった風船が破裂しないように
「お前のためだったら」
張り詰めた糸が切れないように
「出来ることなんでもするで」
もう、どうにでもなれ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
26人がお気に入り
26人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:時音 | 作成日時:2021年2月15日 22時