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46話 ページ47

もう知らんって何よ
意味わかんないよ…


私が涙目のまま廊下を歩いていると、千寿郎くんが私を見つけてこちらに駆けてきた。




私達は縁側に腰掛けた。


「どうなさったんですか?」

千寿郎くんが心配そうに私の顔を覗き込む。


かわいい…

『ちょっと杏寿郎と喧嘩しちゃってね…。』


 
ぽつりと言うと、千寿郎くんは顔をしかめて
 
「…兄上がAさんを泣かせたんですか?」
と私に尋ねた。

 
『いや、私が勝手に泣いちゃって』
 
「どちらでも同じことです。話を聞かせて下さい。」


 
今まで聞いたことのない様な声色で千寿郎くんが言う。


今までのことを報告すると
 
「兄上に会いに行きますよ。」
千寿郎くんは突如そう言った。


渋々立ち上がった私の手首を千寿郎くんが少し引っ張る。



廊下を歩いていると、杏寿郎がこっちに歩いてくるのが見えた。

 
杏寿郎が近くまで来ると、

「兄上。
Aさんを泣かせるとはどういう了見ですか。兄上の気持ちも大体見当が付きますが女性を泣かせるなど、していいことではないですよね?」


と千寿郎くんは言った。




ほんとに千寿郎くん…?


すると突然杏寿郎は私に向かって頭を下げながら

「本当に申し訳ない。君を泣かせてしまうとは男として情けない。」

と謝罪の言葉を口にした。



千寿郎くんの長台詞と、杏寿郎の謝罪に驚いたが私は

『…もう大丈夫。』

と返事をした。


杏寿郎が私に微笑みかけたので、私も微笑みを返したが、まだ二人の間に違和感があるのが分かった。



「すみませんが、私は3日間煉獄の家に戻ります。

その間にお互いの気持ちを整理して形だけでなく、きちんと仲直りをしてください。

特に兄上。

自分の思っていることは伝えなければAさんには分かってもらえないと思いますよ。」


















突然の千寿郎くんの告白に固まる私と杏寿郎。

『せ、千寿郎くん?』

「千寿郎!今Aと二人きりにされると俺は…!」




そう言う杏寿郎を千寿郎くんはほのかに冷たい目で見て、


「俺は、なんですか。兄上。」

と言い放った。





……お母様に似てるのね。

杏寿郎は口をつぐんで硬直した。




そして本当に千寿郎くんは家に帰ってしまった。

「ちゃんと仲直りしてくださいね!」

そう言いながら去る千寿郎くんはなぜか凄く大人に見えた。









さて、この屋敷には多少様子のおかしい二人の男女が残されてしまいましたとさ。

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抹茶タピオカ2号(プロフ) - ウ〜〜〜〜〜!?!?////ヤバイ吐血&鼻血が、止まらん!!((変態とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月4日 20時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 千寿郎お母様にそっくりだー( ゚□゚)とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月4日 2時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - うわー!杏寿郎と夢主ちゃんが、大変なことになってる!\(゜ロ\)(/ロ゜)/とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月3日 21時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
roro(プロフ) - 始めまして!めちゃめちゃ面白くて何回も読み返しました!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年4月3日 2時) (レス) id: 66099f3f1d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年4月3日 0時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おさかなだいすき | 作成日時:2020年3月24日 15時

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