煉獄さんはむつかしい

30話 ページ31

杏寿郎side


……全く…俺は何をしているんだ…






いくら我慢が出来なかったからと言って…


して良い事と悪い事の区別がつかないなど…子供ではないんだぞ！しっかりしろ！




　
心の中で自分を叱責し
深い溜息をつく。






　
……それでもやはり、Aを遊郭にはやれない。



悪いが、先程の反応を見て好きな女を遊郭に連れていけると思う奴が果たして、いる訳がない。







あんな反応をされてしまっては、俺としても…限界が近い。





…勘弁してくれ。





「…杏寿郎。あのね貴方凄くかっこいいんだよ？知ってた？」






『ぐっ……！』





勘弁してくれ…!!



…………また君は！


簡単に男を褒めてはいけないと言ったはずだろう！





『ひょっとこのお面とか被ってるなら別だけど、そんなふうな格好で遊郭に行くなんて絶対にだめ。』




………ひょっとこ。






『……それだ！！』

「は？」




『俺がひょっとこを被って遊郭に潜入する！』

「…本気？」

『本気だ！そうすれば君が心配していたことは起きにくくなる！』







なかなかの名案じゃないか！

Aは俺が他の女に触られたくないらしい。



ひょっとこの面を被った男の事を好きになる女などいるか？恐らくいないだろう！



これで万事解決！！
わはははは！！！！

　



「…でも…それでも杏寿郎は杏寿郎だよ…！」


少し拗ねたように唇を尖らせる君。







……はぁ。可愛らし過ぎないか？





　
しかし、いい加減聞き分けてくれ…。
　
言うしかないようだな。





『…A。

この際だから言うが本音としては俺は君が他の男に触れられるのが我慢ならないんだ！』





そう言い切りAを見ると顔を真っ赤にして目を見開いている。






…そんなに予想外の言葉だったのか？

……俺だって嫉妬くらいする。





『俺と君、同じ心配をしているのなら
男である俺が行ったほうがいいと思うが…


…Aはそれでも行ってしまうのか？』








君は何か言いたげに一度口を開き、また閉じた。


意を決したように




「…っ!……もうっ！

絶対に…ひょっとこ外さないでよ‼」




やけくそ気味でそういう俺の幼馴染は日本一可愛い。






そんなを顔されたら守るしかないだろう！！



『約束しよう！』


杏寿郎side終わり！








❀


鋼鐵塚さん推しの方、不快に思われたら申し訳ありません。

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