M!LKで桃太郎其の弐 (ページ13)

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仁人「あ！入り口が狭まっていますよ！！このままじゃ間に合わない！！」

舜太「くそっ！！"仁人"！！あんたの毒をこの刀に塗ってくれ！！」

仁人「えっ……？！今……」

舜太「何してるんだよ！！早く！！」

仁人「あ、えぇ！」

舜太「よし！おらああああ！！」

仁人に毒を塗ってもらった舜太は、そのまま走りながら壁を斬り付けていきます。
仁人の毒は鬼の傷の治りを一時的に遅らせることができます。
更にはその動きすら鈍らせることができるのです。
毒の回った鬼の肉壁は段々とその動きを止め、閉じていく入り口も少しの間動きが遅くなっています。

舜太「今のうちに！！」

仁人「法師殿、お先に！」

一寸「ありがとうございます！」

鬼の口から一寸法師が一番に脱出することができました。

仁人「さあ、舜太殿と太智殿もお早く！！」

舜太「俺は良いから早く出ろ！！」

太智「仁人先生早く！」

仁人「くっ……外で待っていますよ！！」

そして、仁人も外へ飛び降り、残るは舜太と太智だけです。
けれど、鬼の毒への耐性が強くなり、入り口が再び閉じていくのが見えました。

舜太「くそ！何回斬ってももうすぐに元に戻る！！あんたも早く！」

太智「大将！一緒に行こう！！」

そう言って、太智が舜太に手を伸ばしたその時でした。
地面が更に大きく揺れ動き、太智の足がとられてしまいました。

太智「あっ……」

更に地面は激しく揺れ動き、平坦だった道がみるみる傾いていきます。
体勢を崩した太智は、そのまま鬼の体内へ真っ逆さまに滑り落ちていきます。

太智「大将……！早く行って！！このままじゃ大将までここに取り残される！！」

舜太「お、置いてけって言うのか？！」

太智「へへ……子分はいらないんでしょ？大将が都を救ってくれたことは死んでも絶対に忘れない！本当にありが―」

舜太「"太智"！！黙って俺に掴まれ！！」

太智「え？！い、今……おいらのこと……」

舜太「早くしろ馬鹿！！」

太智「……うん！！」

舜太が伸ばした手を太智はしっかりとつかみ、そして二人は、閉じゆく入り口を間一髪で潜り抜けることに成功したのでした。