M!LKで桃太郎其の壱 (ページ49)

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太智「話はそっちの仁人先生から聞いてる！
鬼を倒す旅に出てるんでしょ？
おいら、弓は滅法うまいんだ！あの日の夜みたいに、何か力になれるかもしれない！
だから、頼むよ！ね？お願いお願いお願いお願いお願い！！」

そう言いながら、太智は出会った時のように両手を合わせて舜太にすり寄ります。
困惑する舜太は助けを求めるように仁人を横目で見て見ますが、彼は何やら面白いものを見るような目で舜太に耳打ちをしました。

仁人「旅は道ずれ、余は情け、でございますよ！舜太殿！」

舜太「馬鹿言うなよ！なんでこんなやつ子分にしなきゃいけないんだよ！！」

太智「そんなこと言わずに！ね？！お願いお願いお願いお願いお願いお願い！！」

舜太「んもー！好きにしてくれぇええ！！」

太智「へへ！じゃあ好きにさせてもらうね！
改めて、おいらは塩﨑"楽々(ささ)"太智ってんだ！！
これからよろしく！大将！」

舜太「はぁー何が大将だよ！！もう最悪だー！！」

あの時、確かに舜太は人質ごと鬼を斬るつもりでした。
けれども、寸でのところでその手を止めたのは、仁人や太智の言葉のおかげ。
彼らと接していなければ、本当に人をも斬っていたかもしれません。
人間としての尊厳(そんげん)を、舜太は守ることができたのです。
しかしながら、そんなこと舜太は気づいておりません。
鬼を殺すこと以外に興味などなかった舜太に、ほんのちょっと変化があったことにも、彼自身気付くことはありません。

そして、新たに太智を仲間に加え、三人の鬼退治は続きます。
そしてそれもまた、別のお話。

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