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それから数日が経ち、舜太は腰に携えた刀に手をかけ、焼け落ちた村から出発することにしました。
舜太「あんたに言われた通りの薬草はこれで足りるだろ。
後は自分で何とかしなよ。俺はまた旅に出る。
それじゃ」
あの後、舜太は大怪我を負った仁人の為に、なれない包帯や薬草を
まさか自分かお爺さんやお婆さん以外の人間にこんなことをする日が来るとは。
しかしそれも今日で終わり。
仁人はすでに歩けるまでは回復したので、もう看病の必要もありません。
こんなところで足踏みしているより、一刻も早く他の鬼を殺して回らなければ。
仁人「お待ちください、舜太殿」
けれど、仁人はそんな舜太をあっさりと見送ってはくれないようでした。
舜太「何だよ？まだ俺に命を無駄にするなと説教するつもりか？」
仁人「いえ、そうではございません。私には、この村で守るべきものはもう何もありません。もう、この村にいる意味もないのでございます」
舜太「……？で？それが何だって言うんだ？」
仁人「私、名を吉田"
そう言って、仁人は膝をつき、深く頭を下げたのです。
舜太には、それがどういう意味なのか皆目見当もつきません。
舜太「は？えっと……それって、どういう……？」
仁人「つまり、舜太殿の家臣にしてくだされ、という意味でございます」
舜太「か、家臣？！何で？！」
仁人「戦闘に関してはからっきしでございますが、舜太殿の病気やお怪我のお世話ならお任せくだされ！それに、旅は道ずれ、余は情け、でございますよ！ささ、一緒にまいりましょうぞ、舜太殿！」
舜太「ちょ、ちょっと待ってよ！俺そんなのいらないってば！！」
困惑する舜太を後目に、仁人は舜太の旅に同行することに相成りまして候。
鬼への復讐を誓った舜太の旅はまだ始まったばかり。
これから彼らにどんな試練が待ち受けているのでしょうか。
それはまた、別のお話。
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年7月12日 18時
