44 ページ44
和真「…元気無いよね？」
「な、何言って…」
和真「俺、人の声色でそういうの分かっちゃうんだけど？」
「…そ、そうですか」
思わず黙ってしまった。ごめんなさい
城田先輩の前では明るい麻倉美琴でいたいのに
和真「…麻倉さん、ちゃんと誰かに甘えられてる？」
「…え」
何言って…
和真「前に言ったよね、母子家庭だって」
そういえば、言ったんだっけ
「…大丈夫ですよ」
和真「1人になることも多いでしょ、泣きたくなっても支えて欲しくても、誰かに甘えられないって辛いはずだよ」
「…先輩」
涙が溢れた。
今まで誰にも知られなかった事だった。
気づいて欲しくて…でも言えない事を先輩は簡単に私に言ってしまったから
「…本当は寂しいです。何処か痛くても何か辛くても誰にも言えなかった…」
泣いてる事だけは気づかれたくなかったから
いつも通り普通の声で言った。
和真「…分かった、ベランダ出て？」
「…え？」
それ以上の言葉はない。
私はゆっくりとベランダのカーテンを開けて
外に出る。
夜風が冷たい、私の頬の涙を冷やしていく
横を見ると、城田先輩はいた
和真「…やっぱり泣いてた」
「泣いてないですよ」
そう言いながらも止めどなく涙は零れていく
まるでせき止められていたものが壊れるように
ああ、この人には敵わない…
和真「辛かったら言えばいい、誰かに甘えたい夜だってある。麻倉さんには俺がいる」
珍しく少し照れていた先輩
私、ますます先輩が知りたいよ
こんな事思うなんて考えてもいなかった。
風紀委員の仕事…増えればいいのに
毎日会えたら…一緒に居られたら
「…はい！」
涙が乾いたら…この思いを伝えよう
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 217人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るさこ - はいっ！もうですね最高ですね。はい(・∀・∩)ｽｳ~最高パーティピーポーワッショイ(？)マジいいですね続編読んできます！ (2022年6月11日 23時) (
レス) @page50 id: 1969410d58 (このIDを非表示/違反報告)
ごぶ - うちの先輩そっくりやww（すごいですねマジ神ですね） (2021年1月15日 22時) (レス) id: 43a127acfc (このIDを非表示/違反報告)
木桃香 - この小説大好きーーー (2020年11月18日 19時) (レス) id: c288b0e7f1 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - 主様好きです...((唐突 応援してます〜！ (2020年10月16日 1時) (レス) id: b8ba54da77 (このIDを非表示/違反報告)
さとめろ - ﾚﾓﾝさん» それなです！ (2020年9月4日 22時) (レス) id: cfb5f238fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セピ
| 作成日時：2020年8月22日 21時
