罰 139 ページ43
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「ど、どうしてそんなこと」
「いいから答えろ」
更にグッと押さえつけられて息苦しくなる。
体が密着しすぎてこのままだとジンに押しつぶされそうな気分になる。
なんて答えるか少し迷ったが、この距離の近さとジンの鋭さに嘘は通用しないと察し、正直に答える事にした。
「……会った、よ」
「……」
「でも別に何も、」
バン!!
と至近距離で衝撃音が聞こえて思わず肩が跳ねる。
その直後脇腹に激痛が走りだし、じわじわと体が熱くなる。
「っ、」
押さえつけられている中チラリと下を見るとジンとAの間に銃が押し付けられてあり、今のは拳銃で撃たれたのだと気づく。
「何を話した?」
「っは、ほ、保護したいって言われて、断ったんだけど引いてくれなくて、仕方なく爆弾の事言った…」
「爆弾?ああ、あれか。
それで?他には」
「、それだけ」
痛みのせいで足に力が入らなくなりズリ、と下に下がるがいつの間にか足の間に膝を入れられていてその上に乗っかる形になる。
「何で言わなかった」
「怒ると思った…」
チッと舌打ちが頭上から聞こえて涙がじわりと溢れ出す。逆にここまで涙が出てこなかった自分を褒めてやりたい。
「いいか?」
俯いていた顎を掴まれジンと目が合う。その目に映る自分に、いつの間にか能力が発動してしまっている事に気が付いた。
「これは言わなかった罰だ。
ちゃんと報告しろ、次は無いと思え」
Aは必至に頷くと、その反応に満足したのかジンは颯爽と部屋を出て行った。
「っ、はぁ」
支えの無くなったAはズリズリと壁に沿って座る。
脇腹にやった手がべっとりと赤く染まり、はは、と乾いた笑みが零れる。
(上手く誤魔化せたか……連絡取り合ってた事はバレてなさそうだな)
しばらくしてベルモットと共に研究所の医療班であろう人達が部屋に入ってきて酸素マスクを付けられ、傷の具合を確認される。
「あなたしばらく外出禁止よ。
その間、深く反省することね」
そう呆れたように横からベルモットに言われた所でAは意識を失った。
**
とある病院の一室。
コナンと赤井は今回捕らえたキールが眠るベッドを眺め、作戦を練っていた。
「ところでボウヤ、この女の事をどこまで知っている?」
そう言い隠し撮りしたであろうAの写真をコナンに見せる。
それを見たコナンは少し眉をひそめたが、すぐにふっと笑みを浮かべる。
「とっても優しい、普通のお姉さんだよ」
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ふゆな(プロフ) - 初めまして!素敵な作品をありがとうございます。これからも頑張ってください👊🏻💗 (2022年5月4日 3時) (レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
momoryu(プロフ) - さちさんコメントありがとうございます!これからも定期的に更新していくのでよろしくお願いします! (2019年8月8日 14時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年8月8日 14時) (レス) id: 02606fd336 (このIDを非表示/違反報告)
momoryu(プロフ) - ベルモットさんありがとうございます!初コメントで感動してます。これからもちまちま更新していくので見守っていただけたら嬉しいです。 (2019年6月24日 19時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 読みました。夢主人公が黒の組織絡みだったり、好みの小説でした (2019年6月24日 15時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:momoryu | 作成日時:2019年6月17日 10時