あなたに人生捧げます 3【名探偵コナン】

バスジャック　１２５ ページ29

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見た感じバス車内の前方にスキーの格好をした男の人が２人。
２人共拳銃を持っている。

(バスジャックって本当にあるのか……外国ならまだしも日本では映画やドラマだけだと思ってた……)

と自分を冷静に保つ為かそんな呑気な事を考えつつも、そんな珍しいバスジャックに巻き込まれてしまった不運な自分を呪いたいと思った。


そんな事を考えてる間にバスジャックの２人が乗客の携帯を順番に回収し始めた。

そして勿論自分が座ってる一番後ろの席にも来るわけで。


「おい、そこの嬢ちゃんも出せ」

「わ、わたし持ってない」


自分の無意識な演技なのか本心から怖がってしまっていたのか、若干涙目になりながらそう言うと、男はチッと舌打ちをして戻っていった。

(危な……もし鞄の中探られてたら携帯どころか麻酔銃も入ってたからアウトだったな……)

さて、と男２人がこちらを見ていない事を確認してこっそり鞄からスマホを出す。
零にさえ知らせればすぐに警察が来てくれるだろう。

幸い一番後ろの端っこの席に座っているので自分の手元は男達からは死角で見えないだろう。
そう思いながらスマホを操作しようとした瞬間、突然隣の人にスマホを持っている方の手を掴まれた。


「へ……」

「何してんだこのガキ！！」


それと同時にコナンが床に叩きつけられた。どうやらコナンも怪しい動きをしていたらしい。
Aは慌ててスマホを鞄に戻してコナンに駆け寄る。


「大丈夫？」

「あぁ…」

「あまり変に動かない方がいいと思うよ……」


まあ零に連絡しようとした自分が言える立場とはいえないが。
そう内心苦笑しながらコナンの頬や服に付いたゴミを払っていると、乗客の足に男が引っかかって転んだらしく、外国人の女の人に謝られていた。

(……ん？あの人…)

ここからでは影になって良く見えなかったが、外国人の女の人がどさくさに紛れて男の人が持っている拳銃にロックをかけたような気がした。

あの人も只者じゃないな、と思いつつ静かに席に戻る。

さっきのコナンが男に見つかった時に気づいたが、やはりあの男２人の仲間が客に紛れ込んでいる。
コナンが見える位置や合図が男達に見える位置にいるとすると……Aの２つ隣に座っている女の人が仲間だ。

恐らく噛んでるガムで男達に合図を送っているのだろう。とても計画的な犯行だ。


……そしてAの隣に座っている男。

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