おつかい 110 ページ14
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チン、と目的の階に着き、2人揃ってエレベーターから出る。
そしてAは、自動販売機とベンチだけが置いてある休憩室に案内された。
「すみませんがここでお待ちください。それで持ってきていただいた書類を……」
「あ、これです」
「ありがとうございます」
鞄から出した書類を渡すと、丁寧にお辞儀をしてどこかへと持っていく風見。
それをAは見送ると、キョロキョロと辺りを見渡した。
この休憩室は入口に扉が無いものの、自動販売機の機械音しか聞こえない位この階はとても静かだった。
自販機で売られている飲み物達をぽけーっと眺めていると、足音と共に風見が戻ってきた。
「お待たせしました。
降谷さんが会議が終わるまで待っていてくれと仰ってたのでとりあえずオフィスに行きましょうか」
「は、はい」
またまた風見について行き、休憩室を出て廊下を少し歩くと『会議室』と書かれた扉があった。
そこから微かに話し声が聞こえるので零達はここで会議をしているのであろう。
そしてその廊下を更に進んで行くと突き当たりに『公安部』と書かれた扉が現れた。
風見がそこの扉を開けてくれたのでAは先に中に入る。
部屋の中はTheオフィスという感じで沢山の机や椅子、パソコンが並んでいた。
そして所々にあり得ない位の書類の山。
「今いる者達は全員会議室にいるのでここには誰もいませんよ」
へえ〜〜と感心しながら部屋全体を見回していると風見がちょいちょいとAを招く。
何だろうと思いつつ素直に風見の所に行くと、目の前には書類が少しだけ残った1つの机が。
「ここが降谷さんの席です」
「あの、座ってみても?」
「どうぞ」
なら遠慮なく。
と椅子を引いて座ってみる。
なんかお仕事体験に来たみたいだ。
それに零がいつも仕事をしている机に座れるなんて思ってもみなかったし、これを逃すと一生座れないような気がした。
(わ〜〜……)
流石と言ったところか、パソコンの淵には付箋とかが1つも貼っておらず、メモらしき物も無い。
どさくさに紛れて置いてある書類もチラッと見たがなんか難しそうでよく分からなかった。
と、ここで風見がお茶を入れに行ったのでその隙にAは引き出しを1つずつ開けてみる。
中も綺麗に整頓してあってどこに何があるか分かりやすい。
「……あれ?」
1番上の引き出しを開けた時、物が沢山入った中の奥底に写真らしき物があった。
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ふゆな(プロフ) - 初めまして!素敵な作品をありがとうございます。これからも頑張ってください👊🏻💗 (2022年5月4日 3時) (レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
momoryu(プロフ) - さちさんコメントありがとうございます!これからも定期的に更新していくのでよろしくお願いします! (2019年8月8日 14時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年8月8日 14時) (レス) id: 02606fd336 (このIDを非表示/違反報告)
momoryu(プロフ) - ベルモットさんありがとうございます!初コメントで感動してます。これからもちまちま更新していくので見守っていただけたら嬉しいです。 (2019年6月24日 19時) (レス) id: 0d68fcd700 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 読みました。夢主人公が黒の組織絡みだったり、好みの小説でした (2019年6月24日 15時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:momoryu | 作成日時:2019年6月17日 10時