15話 ページ15
「なんでしょうか？」
「これ、学校宛てというかきっとお前宛てだと思って…」
それは一通の真っ白な封筒だった。
表面には夢の咲学院という名前と学校の住所、裏面は真っ白だった。
「これ、開けていいですか？」
「ああ」
了承を得るとドキドキしながら封筒を開いた。
黙読で内容を読む。
「どうして、こんなことが…」
そんなことをいう前に先生は苦そうな顔をすると私の目を見てこういった。
「他の生徒には秘密にしといてやる。だが、生徒にアイドル科の生徒に危害を加えないとも限らない。俺からではなく、学校からのお願いだ。文化祭から手を引いてくれないか」
私は、うん、も何も言えなかったし首を縦に振ることも横に振ることもできなかった。
ただ涙しか出なかった。
「そんな顔見せたくないと思うから保健室に行っとけ。俺から先生に後で説明しとくから」
「…わかりました」
1−Aから保健室に行くまで1−Bの前を通らなくてはいけない。
一瞬光くんと目があった。
私はそれを気づいていないふり…になるべく装って無視をした。
さみしそうな顔をしている姿に余計泣きそうな涙を抑えながら。
保健室につくとベットの上に体育座りをして顔をうずめていた。
必死に抑えていた涙がまたあふれ出す。
右側にはぐしゃぐしゃになったパソコンで書かれたであろう手紙を置いたまま。
悔しい。ただただそれだけだった。
唯一あのころの私を知っているあんずちゃんにまた迷惑はかけられない。
あのころとは違う。
あんずちゃんはただの友達ではない、この夢の咲学院の大切なプロデューサーだから余計。
先生は私を気遣ってかベットの周りのカーテンを閉めてくれた。
1時間目の授業を開始するチャイムが鳴る。
このまま休みたい。あのころの悪い癖がまた顔を出しそうだった。
涙を拭く。
「あのころとは違う…」
咲崎Aが居る限りお前ら、夢ノ咲学院アイドル科が楽しみにしているであろう文化祭をぶっ潰してやる。
と書かれた手紙を横目に見ながら。
書いた人たちなんて私が一番知ってる人たちなんだろう。
バカだな、で笑えたら私だって今頃泣いていない。学校をやめたあの時にあのひとたちが理由で泣かないと誓ったのに、あふれ出したのは私だけじゃないから文化祭を楽しみにしているアイドル科の生徒たちの姿や笑顔が浮かぶから。
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あいらいす(プロフ) - コメント失礼します！わたしはみつる推しなのですが、なかなかメインのモノがなく…こちらやっと見つけて読ませていただいたのですがとてもキュンキュンしました(*´-`*)めちゃくちゃ感動してます…！続き楽しみにしてます！頑張ってください☆ (2016年5月7日 23時) (
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作者名：柚日 | 作成日時：2016年4月23日 0時
