未来永劫、その痕は消えない。 ページ12
体と髪を洗って、しっかり濯いで洗顔もして＿＿と、浴槽に浸かる準備が整った。長い髪を洗うのは少々骨が折れたが、これでやっとリラックスできる。
一方の春奈は私が洗髪に手こずっている間に支度を終えたらしく、さっさと湯船に浸かっている。
一緒に入ろう、と言われたからには何か話でもあるのだと思う。私もさっさと支度を終えてしまわねば。
手首に通しておいたヘアゴムで髪を結おうとしたが、濡れて重くなっている故に苦戦してしまう。それでも何とか結い上げて、余った後れ毛を耳にかけた。
お団子にするのなんて久々だな、と思いつつ座っていた椅子をシャワーでしっかり流しておく。急いでいても、こういう作法はやっておかないとな。
お団子が崩れやしないかと気を配りつつ、転ばない程度の急ぎ足で財力の塊……もとい浴槽に直行。温度を確かめつつゆっくりとお湯に浸かり、ふうっと溜め息をついた。
「あっ、お先に失礼してます〜。髪洗うの大変そうでしたよね、言ってくれればお手伝いしたのに」
彼女はくすくす、と邪気のない笑顔を浮かべながら笑った。その申し出は大変有り難くもあるのだが、後輩に髪洗って貰うのはなぁ……というのが正直な感想だ。
でも善意で言ってくれたのにそれを言うのもなぁ、という事で思考を纏める。小さな波を立てながら近付いてきた彼女に微笑みかけ、
『あはは、そうして貰っても良かったかもね。ありがとう春奈』
「そうでしたよね……あっ、明日は私も手伝います！ そうしたら一緒にお風呂浸かれますし」
そんな当たり障りのない台詞を紡ぎ出してみると、彼女は何故だか張り切ったような様子で提案を返す。何て甲斐甲斐しい後輩だろうか。
楽しげにしている彼女の頭をそっと撫でれば、いかにもご満悦な様子で身を……というか頭を委ねてくる。
その姿があんまりにも愛らしくて、此方にまで幸福感が
和みつつ存分に撫でくり回していると、ふと春奈の頭が上がってその目を驚きに染める。まるで手品でも見たような表情だ。
彼女の視線は私に＿＿否。あえて正確に言ってしまえば、私の腕に向けられていた。
まるで縫い止められたように、信じるのを拒んでいるかのように、その場所だけを注視する春奈。
無理もない、と思った。
彼女は紺碧の瞳を瞬いて、少しの間
「…A、さん。この傷、何ですか…？」
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アインツバル - 橋本アリィちゃんさん» ですが既に手放しかけていた粗末な文へ、こうして温かい言葉を掛けて下さった事 心から感謝しています。末筆ですが改めて、読んで頂きありがとうございました！ (2022年2月26日 14時) (
レス) id: 21e5f63abe (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - 橋本アリィちゃんさん» コメント有り難う御座います、反応が大変遅くなってしまい申し訳ございません。前の作品については仰る通りで、私自身の手で消去致しました。応援して頂いたところ本当に心苦しいのですが、恐らく今後これを更新する事はありません。 (2022年2月26日 14時) (レス) id: 21e5f63abe (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します！とても楽しく読ませて頂きました！今後とも応援しています！頑張って下さい！(*´ω｀*)(((後、前の作品が全て消えてるんですが、気のせいですかね？(´・ω・｀)))) (2021年11月6日 10時) (レス) id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - 月花さん» はい3コメおめでとありがと大好き…!!()そうそう弱気な吉良ヒ､(幼少期だもの←) コメントはいつだって超絶嬉しいよ…!!本当にありがとう、これからも宜しく！ (2020年8月2日 22時) (レス) id: cbb6f528ce (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - 今更感あるけど….シリーズ五本目！おめでとう〜！三コメをいただいていきま〜す(←) ヒロトの名前が出てきたとき、「えっヒロ…吉良ヒ…？…！？」でした、あるちゃんの小説大好きです、更新…無理なく頑張って下さい！！(以上、謎タイミングコメント野郎でした！←) (2020年7月30日 21時) (レス) id: 689878ceda (このIDを非表示/違反報告)
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