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「今なんて?」
夕食時、狭い家の中で円になって食事をしていたらお父さんに提案された。
「お殿様にも良くしていただき、佐久間さまにも娘を守っていただき、親の立場で申しますとどちらに嫁がせるのが本当に娘にとって幸せなのか悩ましいところです。
そしてどちらも娘を真剣に愛してくださってると伝わるので、これではなかなか決着もつかないでしょうから、一つ私からご提案を」
「なんだよ?」
いったい何を言い出すんだろうと胸がざわつく。
というか私は佐久間さまが好きなのだから、翔太さまには悪いけど諦めてもらえれば解決なんだけど、とチラ見したら何故か舘様に微笑まれた。
うーん、舘様は謎だわ。
「最近この村の周辺にまで悪い噂が広まってるんですか。ここいらで山賊が暴れ回ってるようなんです」
「山賊? そういえば、鬼退治に行く前に康二さんもそんな事言ってたような」
あの時は鬼退治に行くことに頭がいっぱいだったから、深く考えていなかったけど、あの山からここまでは結構な距離がある。
なのにその山賊たちが迫ってきてるとなると、この平和な村にも危険が及ぶ可能性があるかも。
「佐久間さま」
「そういや、たまに阿部ちゃんのとこ行くけど客が減って困ってたでやんすな」
「その話なら我が領土でも問題になってますね」
「え、そうなの?」
「まだ殿に上げる程の事でもないと思ってたんですけどねぇ」
少し不穏な空気が流れる。
「んー、うまっ!」と、その中で和ませてくれるらうるの笑顔にホッとしたのつかの間、お父さんは話を続けた。
「我々も安心して過ごしたいのでね。良ければこれだけ腕のたつ方が揃ってるんじゃ、山賊退治してもらえませんか? 山賊を倒して平和を取り戻して下さった方になら、娘を安心して任せられると思うんです」
ふんふん、鬼退治の次は山賊退治ね……て、ちょい待て!
私の意思はないのか!?
いくらお父さんでもそれは酷くないかと口を開きかけた時、
「嫌だ。めんどくさい」
うわー、さすがお殿様だわ。即答だった。
てことは、この話はなかったことになるよね?と一安心してお米をもぐもぐ。
「お殿様は自分がさっくんより劣ると思ってるから、山賊退治できなんですよねー?」
「………は?」
らうるーーーーーー!!
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ゆきんこ(プロフ) - あいちゅんさん» 長くなりましたので、2回にわけてのお返事失礼します。楽しみにしていただいてるようなのに、ご期待に添えずに申し訳ありません(>_<) 裏は載せられませんが、それ以外でも楽しんでもらえるように頑張ります! (12月13日 10時) (レス) id: 47adab0070 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あいちゅんさん» あいちゅん様、大ファンなんて嬉しいお言葉に舞踊っております!ありがとうございます!初夜のお話についてですが、その他の裏のお話しに関しても書き始め当初から制限できるTwitterのみ掲載すると決めておりまして、本番行為はこちらには載せられません(汗) (12月13日 10時) (レス) id: 47adab0070 (このIDを非表示/違反報告)
あいちゅん(プロフ) - はじめまして。ゆきんこさんの作品大ファンの者です。お願いがあるのですが、私はTwitterのアカウントを持っていないので初夜のお話が楽しめません>_<privatterではなく普通の投稿にしていただけないでしょうか…? (12月13日 4時) (レス) id: bf15d374dc (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 祐莉さん» 照くんや、残りの二人がどのように登場するかも楽しみに待っていてください(^^)最後まで面白かったと言ってもらえるように頑張ります! (12月3日 12時) (レス) id: 83fde2196b (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 祐莉さん» そうですね。新章では、前回活躍してくれた二人は出てこないのですが、その代わりに前半に少し登場した翔太くんたちが出ます(笑)なのでまた違った雰囲気を楽しんでもらえたらいいんですが! (12月3日 12時) (レス) id: 83fde2196b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年12月1日 17時