食べられた[kn] ページ5
眠い目を擦りながら食堂へ行くとなんだか騒がしい。理由はすぐにわかった。
オレンジや紫といった奇抜な色で飾られた壁や今日のデザートのパンプキンパイ。
今日は10月31日、ハロウィンだ。
昨日まで任務だった私はすっかり忘れてた訳で、なんの準備もしていない。
「ん？Aやん、久しぶりぃ。」
ひょこりと姿を現したのは、僵尸姿のロボロ。相変わらず表情が読めない。
「おーロボロ、昨日帰ってきたのよ。みんな盛り上がってんね。」
「せやろー？……てかAの分の仮装あるで。」
「え！？」
そんなの初耳だし、自分で頼んだ覚えがない。だが、皆が楽しくしているのを見て羨ましかったのも事実だ。
「えー、何の仮装なの？楽しみだな。」
「俺は知らんけど、多分コネさんが預かってるんちゃう？」
げ、と私は顔を顰める。コネシマ。
この男は私の同僚であり、ライバルであり、恋人である。
「シッマが持ってんのかぁ…昨日任務帰った後即寝したから絶対絡まれる……」
「ええやん！そーゆーの憧れるわぁ…」
「いや別に会えんのは嬉しいよ？でも絶対……」
と言いかけて口を噤む。ロボロも察して、あぁ…と言う。こんなに人が沢山いる所であらぬ事を口走る所だった。
「はぁ…じゃあシッマのとこ行ってくるわ。」
「お、おう。頑張れよ〜…何とは言わんが」
あははと私も苦笑してから彼の部屋に向かった。
コネシマの部屋の前に立った私はドアを叩けずにいる。中にいる事は確実だが、どうにもドアを開ける気が湧かない。
理由は……物音。彼が部屋にいる時は必ずと言っていい程大きな物音がする。いびきだったり、足音だったり。
しかし今の彼の部屋からはそんな音は一切聞こえない。部屋主がいない状態で部屋に侵入するのも些か気が引ける。
「でもあんまりグズグズしててもなぁ……」
よし、と決めて彼の部屋のドアを開ける。
予想通り部屋主のコネシマはいない。
電気が消え、少し暗いが見えなくもないので、そのまま捜索を開始する。
意外と綺麗、というより物数が少ないこの部屋だが、中々見つからない。
というかなんの仮装でどんな状態で保存されているかもわからないのに彼の部屋に来たのは少し無計画だっただろうか。
「はぁ…」
軽いため息をつきながら、近くにあった彼のベッドに体を沈めてみる。
シーツや毛布、固めの枕から彼の匂いがするのが心地良い。
「…………」
昨日の深夜に帰ってきたばかりの私はまだ疲れが取れていなかったのか、そのまま動けなくなり、瞼を閉じた。
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霞花(プロフ) - ひかりさん» オリジナルフラグは外れております。冒頭部分の注意書きもしっかり表示されていますよ (2020年5月10日 20時) (
レス) id: 6d56430d02 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり - オリジナルフラグをお外しください。ルール違反です。 (2020年3月24日 13時) (レス) id: 8c2e85674d (このIDを非表示/違反報告)
霞花(プロフ) - ブンブンさん» ありがとうございます！(蘇生) (2019年10月24日 18時) (レス) id: 8895aebc7a (このIDを非表示/違反報告)
ブンブン(プロフ) - 尊い…(遺言) (2019年10月21日 22時) (レス) id: 4a511d68cf (このIDを非表示/違反報告)
霞花(プロフ) - ラピさん» そう言って頂けるのは光栄です！ありがとうございますっ。 (2019年10月14日 22時) (レス) id: 356bccad88 (このIDを非表示/違反報告)
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