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護るもの、護られるもの ページ43

鉄子は、ゆっくりと起き上がる。
何が起きたか分からなかった。

目の前で倒れている自分の、兄の姿が信じられなかった。

岡田が鉄子に刀を振り下ろす瞬間、兄が身代わりになったのだ。


「あ…にじゃ…兄者ァァァァ!!」

兄を抱きしめて震える鉄子。

その時一筋の光が刺し、岡田に刺さった刀を引き抜き顔に切れ込みを入れたのは紛れもない銀時だった。

その拍子に巻きついていた管が離れ放り投げ出される銀時。

それを見て、兄は泣きべそをかく鉄子を見上げると

「…クク、そういうことか。剣以外の余計なものは捨ててきたつもりだった。

だが最後の最後で、お前だけは…捨てられなんだか」


「余計なもんなんかじゃねぇよ。余計なもんなんてあるかよ。いろんなもん背負って頭抱えて生きる度胸もねー奴が職人だなんだカッコつけんじゃねぇ


見とけ。てめーのいう余計なモンがどれだけの力を持っているか

てめーの妹が魂込めて打ち込んだ刀の斬れ味、しかとその目ん玉に焼いつけな!!」



そして正面から渡り合おうと走り出す。
そんな身体じゃ無理だ!!と皆が叫ぶ中、銀時は刀を振り上げた。



勝負は一瞬で終わった。
宙を舞う、鉄子が打った刀の破片が床につき刺さる。


次の瞬間岡田の刀がひび割れ初め、粉々に砕けていった。



それを見て、兄は鉄子にしか聞えないような小さな声で何かを呟き目を閉じると…

もう目覚めることは無かった。









「おい、大丈夫か」

神楽と新八に支えられたAにそう訪ねる。

「…腹立つわぁ」

うるせぇと言うと、

「なんで庇ったんだよ」

「お腹に穴空いてんのにあんなもん1発くらったら腸出るどころじゃすまないでしょ。」

「…わりぃな」

「いいよ。結果的にお前のほうが重症だし
よくやったメポ」

「だからメップル止めろ」

ふ、と笑う銀時。
そして拳を突き出すと、Aも拳を突き合わせた。







所変わって、桂と高杉が居る甲板_____

「高杉。俺はお前が嫌いだ。昔も今もな
だが仲間だと思ってる。昔も今もだ
いつから違った、俺たちの道は」

そう桂が問う。

「フッ、何を言ってやがる。たしかに俺たちは始まりこそ同じ場所だったかも知れねェ。だがあの頃からどいつもこいつも好き勝手、てんでバラバラな方角を見て生きていたじゃねーか」



___思い浮かぶのはあの頃の憧憬
今もなお俺の右目に映るのは、微笑むあの人と…






「…あいつも同じもん見てると思ったんだがな。どうやら見当違いだったみてぇだ」

大人の時間→←死なせない



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睡魔 noa(プロフ) - 続き待ってますヾ(*´∀`*)ノ (2018年9月4日 20時) (レス) id: 4176890134 (このIDを非表示/違反報告)
八木楓(プロフ) - しゅき (2018年9月2日 21時) (レス) id: dbe5bf77f2 (このIDを非表示/違反報告)
神右宮月左京(プロフ) - あの、岡田以蔵ではなくて、岡田似蔵だと思います! えと、応援してます!!すっごく好きなんで!!頑張ってください!! (2018年9月2日 18時) (レス) id: 0ad6a2b0ae (このIDを非表示/違反報告)
アニオタ菌@葵 - 異三郎ですよ (2018年8月28日 19時) (レス) id: 53026d57c3 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - めっちゃ面白いです!続き気になります!更新頑張って下さいね! (2018年8月27日 11時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピピミ | 作成日時:2018年8月24日 11時

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