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トロッコ ページ24

久しぶに会った銀時
ボサボサの銀髪、鼻ホジる癖、いちご牛乳、全然変わってないと思ってたのに


「ち、違ぇよ!!____」


…目が全然違う。
男の子と言い合いしながらも、どこか柔らかい優しい眼差しをしている。


ここで、一抹の後悔を感じたのだ。



ただ元気そうだねとかまだテンパかよとか言えばよかった。

なのに、言葉の代わりに昔の思い出が次々に蘇ってきたのだ_____






「おい!救護班はまだか!?頼む早く来てくれ!!」
「ダメだ!寝るなA!!負けんじゃねぇ!!」


背中からとめどなく流れる血。
さがらない熱と何日も戦って、一時は危ない時もあった。

けどそれは私だけじゃなかった。

隣の部屋でも人がバタバタと忙しそうに入っては出るを繰り返す。

部屋の主は高杉だった。
私よりも重症。そして一生残る傷が出来ていた。

なんども魘されながら、必死に頭の中で念じた。

大丈夫…大丈夫だ。
この怪我が治って、高杉も目覚めたら
また、やり直そう…


三日目の夜。
熱も下がってようやく意識がはっきりしてきた時だ。
誰かが私の部屋に入ってきた。
月明かりに照らされた銀髪ですぐに誰か分かった。

大丈夫かと聞いてきたのでかすれ声で大丈夫だと言った。
きっと私が寝てると思ったのだろう。驚いた顔をしていた。

そして部屋に入って私の枕元に座り、悲しそうな顔で私の手を握ったのだ。

突然のことに驚きながら、私も精一杯の力で握り返す。
よく分からない緊張を感じたのを覚えてる。



そして銀時は長い沈黙の後、こう言ったのだ


「もう、終わりにしよう」
と。


「…なにを」

「全部さ」


意味が分からなかった。
同時に何かを悟ってますます手に力が入る。

嫌だ、まだ終わってないと言えば
いや、終わったんだと返った。


「お前も…見ただろ。これ以上何もできねぇ。もう、終わりにしよう。」

「だめ、だめだよ、銀時」

「今まで頑張ってくれてありがとうな
もう十分だ。おやすみ、A」

「待って、銀時…!!」


抵抗も虚しく、するりと手は抜け銀時は出ていく。
涙が止まらなかった。



銀時はそれから1度も部屋に来ず、私が全快した時にはもう、誰もいなかった。

…あの、高杉も。

最後まで面倒を見てくれた桂が、

『高杉も、立てるようになったその日に荷物をまとめて出ていったさ』

と教え、私に別れを告げると出ていった。





今やもう、皆それぞれの道を進んでいる。

なのに私はまだ、錆びたレールの上を走り続けてる。

今夜、空で会いましょう→←世間話でもしたかった 銀時side



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睡魔 noa(プロフ) - 続き待ってますヾ(*´∀`*)ノ (2018年9月4日 20時) (レス) id: 4176890134 (このIDを非表示/違反報告)
八木楓(プロフ) - しゅき (2018年9月2日 21時) (レス) id: dbe5bf77f2 (このIDを非表示/違反報告)
神右宮月左京(プロフ) - あの、岡田以蔵ではなくて、岡田似蔵だと思います! えと、応援してます!!すっごく好きなんで!!頑張ってください!! (2018年9月2日 18時) (レス) id: 0ad6a2b0ae (このIDを非表示/違反報告)
アニオタ菌@葵 - 異三郎ですよ (2018年8月28日 19時) (レス) id: 53026d57c3 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - めっちゃ面白いです!続き気になります!更新頑張って下さいね! (2018年8月27日 11時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピピミ | 作成日時:2018年8月24日 11時

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