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「私が、物好きなんです。」


しんと静まりかえっている公園で佇む私達。
手汗は酷いし心臓の音が耳に響いてる。なんの拷問なんだこれは。


だって何で好きになったんかって話でしょ
あーもういい。恥とか外聞なんか捨てちまえ

茅ヶ崎A、腹をくくれ!!




「勝手に怖がってたのは私です。なんなら私だって安室さんにひどいこと言ったし、隠してることだっていっっっっぱいあります!!
だから別に安室さんは気にすることでは無いですし、誰かにそれを全て話す義務はないはずです。だから私は安室さんの全部を知りたいと思いません!」


まぁ、私の隠してることなんて安室さんのに比べれば軽すぎるんだけど

てかほぼ開き直りですけど
私が言いたいのはこれじゃなくて……


「安室さんは、秘密なんかよりもっと大切な物を私にくれました」


助けてくれて、
泣いてもいいと言ってくれて、
病院の創立記念日を、私だけの特別な日にしてくれた。


「恐怖なんてとっくに上書きされてるんですよ。あなたのお得意の甘い言葉にまんまとハマってしまったんです。」


確かに私はあなたが好きだ。
だけど感謝の気持ちの方が大きい。


「安室透がいい人だろうが悪い人だろうが、私には関係ありません。



あなたは、私の大切な人です。」



好意と呼ぶには甘すぎて、信頼と呼ぶには不純すぎる。だから私はあなたと付き合いたいと思わない。ただ、好意さえ向けられれば十分なんだ。




……少し、悲しいけれど


「だから安室さんが望むなら、この気持ちは聞かなかったことにぃっ…!?」


ふわりと香るコーヒーの香りに、抱きしめられたと気づくまでに時間がかかった。
私渾身の別れの言葉を言いかける前に、腕をひかれ抱き寄せられたのか…

なんかデジャブだな…なんて暢気なことを考えてしまった。



「本当に…あなたは変な人だ」

「…あれ?馬鹿にしてます?この流れで!?」


くつくつと笑い声で耳がくすぐったい。

「Aさん、僕が何の覚悟もなくこの手を差し出してると思いますか
以前あなたとこの公園で話した時から、僕はもう覚悟を決めていました。」

ぎゅ、と腕の力が強くなった。
安室さんは今、どんな顔をしているんだろう。





「おこがましいお願いだと分かっています。


…待っていてくれ。やらなければいけないことがあるんだ
終わったら、すぐに追いかけるから」









「…はは、
よかったぁ…フラれると思ってました」

「そんなわけないだろ…」

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理那(プロフ) - あぁ!そういうことでしたか!私よく絵を描くので知ってて!実際あんま覚えてなかったのでよかったです! (2020年5月22日 0時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴみ(プロフ) - 理那さん» ご指摘ありがとうございます!!すみません、自分単行本派なので赤井さんの目の色すっかり勘違いしてました(号泣)訂正したのでまたよろしくお願いします! (2020年5月21日 23時) (レス) id: bf70a421f2 (このIDを非表示/違反報告)
理那(プロフ) - 赤井さんって目は黒じゃなくて緑色、だった気がする?いやすみません間違ってたら!無理のない程度に頑張って下さい! (2020年5月21日 21時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - めっちゃ好きです!更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月6日 3時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
腐夢(プロフ) - 初めまして!番外編も本編もとても面白くてにやけながら読みました!読みやすいし感情移入しやすいのでとても読んでいて楽しかったです。素敵な作品をありがとうございます┏○))ペコリ (2020年4月29日 23時) (レス) id: 93d427ce7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピピミ | 作成日時:2018年7月6日 14時

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