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「ねぇ、A姉ちゃん。ひとつ聞いてもいい?」
そう言いながら先ほど私が買っ…いや、買わされたってか強請られたアイスを舐めるコナンくん。
でも小さな口でアイスを食べる姿はやっぱり可愛いと思ってしまう。
いや待てこいつ中身高校生やん
そんな何かと私に無遠慮な彼が改まってなんだろう。
「…ひいへほ」
ちなみに私もアイスを食べてる。
コナンくんは、行儀悪いって目をしながら
「どこまで安室さんを知ってるの」
と言った。
ごくり。思わずアイスの大きな塊を飲み込んだ音がした。
「どこまで、って…年齢とかは知ってるけど」
「この前、安室さんの裏の顔知ってるって言ってたよね」
無視かい。誤魔化そうとしたのに
まぁ確かに言ったけど。
けどそれは性格が悪いという裏の顔で終わったはずだった。
つまりあの時から疑われてたってことか…
ちょっと待て。今更すぎることに気づいたんだけど
安室さん、コナンくんの敵やん
たまにコーヒーを交えながら仲睦まじく談義するのを見たことあるけど、よくよく考えたら絶対出会ってはいけない2人なわけで…
「コナンくんはどこまで知ってるの」
「質問返さないでよ。今は僕が質問する番だよ」
うぐぐ…どこまで喋ったらいいのか確認できないじゃん。
いや、そもそも私が知ってる情報なんてアバウトでしかない。
安室さんが、黒の組織に属しているかもしれない。ただそれだけだ。
けど…私は…
ぎゅっと携帯のストラップを握り締めた。
「ごめん、コナンくん。
私まだ安室さんの友達でいたいから、知らないふりするね」
矛盾だらけだ。
そんなの、知ってるって言ってるようなもんだし
友達でいたくなくて、ここにいるのに。
ずっと浮き足立ってたから、急に実感が湧いてきた。
今までも不安定だったのに、私はそれ以上を求めてしまってる。ああなんであんなこと言っちゃったんだろ。
「…それは不毛っていうやつだよ」
「だよね。分かってたんだけどなぁ…あ。」
手首に流れる不快感で、食べかけのアイスを思い出した。
「あーやばい制服についちゃう」
「もー僕ハンカチ持ってるから拭いてあげるよ」
手を動かせない私の代わりにコナンくんがハンカチで拭いてくれる。
「A姉ちゃんって、良くも悪くも僕を小学生扱いしないよね」
「…だって私よりしっかりしてるもん」
そう言ったら確かに、と笑った。
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理那(プロフ) - あぁ!そういうことでしたか!私よく絵を描くので知ってて!実際あんま覚えてなかったのでよかったです! (2020年5月22日 0時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴみ(プロフ) - 理那さん» ご指摘ありがとうございます!!すみません、自分単行本派なので赤井さんの目の色すっかり勘違いしてました(号泣)訂正したのでまたよろしくお願いします! (2020年5月21日 23時) (レス) id: bf70a421f2 (このIDを非表示/違反報告)
理那(プロフ) - 赤井さんって目は黒じゃなくて緑色、だった気がする?いやすみません間違ってたら!無理のない程度に頑張って下さい! (2020年5月21日 21時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - めっちゃ好きです!更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月6日 3時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
腐夢(プロフ) - 初めまして!番外編も本編もとても面白くてにやけながら読みました!読みやすいし感情移入しやすいのでとても読んでいて楽しかったです。素敵な作品をありがとうございます┏○))ペコリ (2020年4月29日 23時) (レス) id: 93d427ce7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピミ | 作成日時:2018年7月6日 14時