44 侑視点 ページ44
.
朝のHRが終わって、俺は保健室へと走った。
俺が【後で行く】と送ったLINEから返事がないので少し心配になる。
「失礼しまーす」
「…あれ、先生居らんやん」
保健室には先生の姿はないが、一つカーテンの閉まったベッドがあった。
「A、そこに居るん?」
俺が呼びかけても返事はない。
「…寝てんのか?」
普通ならここで躊躇うものを、
「開けんで」
カーテンを開いてしまうのが俺だ。
侑「…何や寝とるんか」
すぅすぅと寝息を立てて寝るA。
初めて見る寝顔に少し釘付けになる。
もっと豪快に寝るのかと思いきや、小さく縮こまって寝ている姿にギャップを感じた。
『せやったら俺がAちゃんの事好きや言うたらお前どないすんねん』
サムの言葉が頭を過ぎる
『しっかり焦っとるやんツム』
焦ってなんか、
…いや、
彼女の足元に腰をかけ、考える。
Aも、俺と仲が良いからキーホルダーなんて買うてきてくれたんやろ?
その他に意味なんて無いやろ?
「…」
静かな保健室の中、
白い無垢なベッドの上
友達と言えど、寝ている無防備な女を意識するなと言われる方が酷だ。
せやけど、もしAが俺のことを好きなら
そっと手を伸ばす
確かめたい。
『お前がAちゃんの事好きやから、キーホルダー買いたいと思ったんとちゃうの』
手を伸ばしかけて、ハッとした
「そんなわけ、ないよな」
自分の考えている事が恥ずかしくなって立ち上がり、保健室を出た。
「サムに洗脳されかけとる…」
頭をワシャワシャと掻き、1時間目が迫っているので教室まで走る。
起こした方が良かったかと思ったが、具合悪そうやったしLINEだけ入れといた。
719人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おしゃけ - 神ですか?最高です!腹筋バッキバキです! (2020年8月23日 16時) (レス) id: 926e830632 (このIDを非表示/違反報告)
い - 桜蛇食堂のパスワードを教えて下さい! (2020年6月15日 19時) (レス) id: 54f556372b (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - うにさん» ありがとうございます!!楽しんでもらえて嬉しいです!(´∀`*) (2020年6月13日 14時) (レス) id: c52cbf5314 (このIDを非表示/違反報告)
うに(プロフ) - ストーリーはもちろん、会話のノリが面白すぎて大好きです( ^∀^)更新楽しみにしてます〜! (2020年6月13日 14時) (レス) id: ce4cd01202 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - あゆさん» 嬉しいです!笑 私も書いててあそこ好きでした!笑 (2020年6月12日 9時) (レス) id: c52cbf5314 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:な | 作成日時:2020年6月5日 9時