31 ページ31
.
「あ」
たまたま1年生フロアへ来ていた時のこと。
いつぞやの侑ファンが私を見て声をこぼした。
「こんにちは」
「…」
無視は良く無いと思ったので声を掛けたが無反応。
無視かい、と思いその場を立ち去ろうとすると「あの」と声を掛けられた。
「何？」
笹本「夢乃さん、ですよね」
「いかにも」
何だかこの間よりも一歩引き気味なのは
きっと純ちゃんの影響だろう。
怖いもんね純ちゃん
笹本「角名先輩と付き合ってはるんですか」
なんだ、それを確認しに声を掛けたのか。
嘘をつくのは胸が痛いけど仕方ない。
「そうだよ」
笹本「…せやったら、宮先輩とベタベタせんとって下さい」
そう言って私を睨み付ける。
確かに、この子が言うことも一理ある。
角名と付き合っているんだったら侑と2人でいること自体不思議になるはず。
他の人達は侑や治くんと仲良くなりたいが為必死で気付いていないが、気付く人は気付くだろう。
笹本「いつも2人で居てはりますよね？本当は宮先輩が好きなんじゃ無いですか？」
「それはない」
笹本「嘘や…、せやけど宮先輩言うてはりましたから！」
「何が」
私も私で少々餓鬼くさい所があるので、わざと声を低くする。
彼女は肩をぴくりと跳ねらせてから、こう呟いた。
笹本「夢乃さんは、友達以上恋人未満て、」
怯えながらも、まるで勝ち誇ったような声色だ。
何をこの子に話してるんだあいつは。
やれやれとため息をつくが、今はそんなのどうでも良い。
「…名前なんだっけ」
笹本「笹本、です」
「じゃあ笹本さんは恋人以上になれる自信があるんだね」
笹本「そ、それは…」
「学年の差はそう簡単に埋まるものじゃないけど、正々堂々自分の力で侑にアタックしなよ」
笹本「…」
「私が今侑を避けたとしても、あいつのことだから根掘り葉掘り理由聞いてくると思うし、それを私がクソ真面目に答えたら笹本さん終わっちゃうんだよ？わかってる？」
どうしてそんな簡単なことがわからないの。
と、私が吐き捨てると彼女はボロボロと涙を流し始めた。
周りの視線が痛い。
笹本「宮…侑先輩とも…っ…治先輩とも仲の良い人に…っ…私達の気持ちが…っ…わかるわけないじゃないですかっ…！！」
うぉおおめんどくせぇえ！
無視して立ち去ろうとしたが、これでもかと言うほど涙を流すので流石に気の毒になった私はポケットティッシュを差し出す
「…ちょっと座ろ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 721人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おしゃけ - 神ですか？最高です！腹筋バッキバキです！ (2020年8月23日 16時) (
レス) id: 926e830632 (このIDを非表示/違反報告)
い - 桜蛇食堂のパスワードを教えて下さい！ (2020年6月15日 19時) (レス) id: 54f556372b (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - うにさん» ありがとうございます！！楽しんでもらえて嬉しいです！(´∀｀*) (2020年6月13日 14時) (レス) id: c52cbf5314 (このIDを非表示/違反報告)
うに(プロフ) - ストーリーはもちろん、会話のノリが面白すぎて大好きです( ＾∀＾)更新楽しみにしてます〜！ (2020年6月13日 14時) (レス) id: ce4cd01202 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - あゆさん» 嬉しいです！笑 私も書いててあそこ好きでした！笑 (2020年6月12日 9時) (レス) id: c52cbf5314 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：な | 作成日時：2020年6月5日 9時
