【宮侑】幼馴染みに恋をしたい２【宮治】

83 治視点　治デート？ ページ33

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少し食欲が戻ったのかペロリとおかゆを平らげたAは温かくなった冷えピタを取り替えている

熱があると知った時どうなる事かと思ったが彼女の体は意外と丈夫らしい。

とはいえ、あの炎天下の合宿＋重労働の後に俺ら2人とデートをするっていうのはちょっと失敗やったな。



治「ハードスケジュールやったな。ごめんな」

「サムが謝る事ちゃうて！あたしの体が弱いだけやねん。…ひぇっ、」

治「冷たいか」

「冷たい、」



いちいち可愛い声を出さないでほしい。
ただでさえ風邪のせいで顔が赤くて目が潤んでいるんやから…




「…サム、部屋いこ」




それはあかんて…っ…！！！！




Aに言われるがまま彼女の部屋へ通され、てきとうな場所に座る。

普段なら緊張しないこの部屋も、意識してしまうとダメなもので。
思わず彼女から目を逸らした



治「おかん、いつ帰ってくるん」

「もう少しで帰ってくると思う」

治「そか、」




ｷﾞｭ､




「サムの手あったかいなあ」






俺の手を握って笑うA。

心臓がこれでもかという程高鳴る。



もうあかん。我慢の限界や。
病人やからって今日は何もしないつもりでいたけど








治「A、俺」







ギシ、とベッドの軋む音が響く






治「Aが欲しいねん。」






ほしい？、と彼女は俺に聞いた






治「デートなんかし直さなくてええ。そんなん付き合ってから死ぬほど連れてく。俺は、ずっとAのこと」


「サム、？」









「ん、」









柔らかい感触と冷えピタの匂い

カーテンの隙間から夕日が差す頃


彼女の顔も夕日と同じくらいに赤くて、Aは目を見開いて固まっている。




「サム、」




そのまま、俺と触れたその唇が俺を呼ぶ

あかん、キスはやりすぎた。
流石にこれは嫌われてもおかしくない。




治「A、ごめ、」


「…ズルい」



治「え」






「こんなん、好きにならん方おかしいやろ」









返事は、予想外のものだった。

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