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「へ…、」
間抜けな声が出た。
何でそんなこと、北さんが知っとるん?
北「ごめんな、昨日角名とAさんが話しとるの少し聞こえててな」
「ヒェッ」
終わった。あたしのドキドキ合宿ライフが音を立てて崩れていくのが見える。
昨日の記憶を高速で辿ると、マズいことしか言ってないような気がする。やばい、何もかもバレた。
「あ、あの、北さん…これはその…」
北「Aさんの好きな人はどんな人なん?」
「…えっ!?」
あれ?この人知らん感じか…?
「え、北さん聞こえとったんじゃ…?」
北「誰のことかサッパリ聞こえへんかったで?ただ好きな人がおるんやなあくらいしか」
おかえりあたしのドキドキ合宿ライフ。
なあんや!!そうやったんか!!
危ない危ない。心臓止まりそうやったわ。
北「で、Aさん。どんな人なん?」
___いやまて、崖っぷちなのは変わりなくないか?
ツムはアホやったからこの質問をなんとか乗り越えられたけど
北さんにどんな人かなんて言うたら即バレは回避できないんじゃ…
「え、っとぉ〜?」
あかん、なんて答えよ。
必死に考えても「双子」とか「幼馴染み」とか答えのようなものしか浮かんでこない。
北「…Aさんに好きやって思われとる奴は嬉しいやろなあ」
「え?」
急に何を言ったかと思えば、目を細めて笑う北さん。
何、あたし褒められとる??
「北さんほんま上手いですわ〜」
褒める天才ですね。飴ちゃんあげます。と言って北さんの手の平に飴ちゃんを握らせると
ギュ、
そのままあたしの手を握る北さん。
「?」
北「お世辞とか冗談ちゃうで。」
北「俺やったら嬉しい」
ジワリと汗が滲む
セミの鳴く声と発作に近いような心臓音が脳を侵食していく
北「やっと着いたな」
その声で我に返ったあたしは何でもない顔をした北さんに「そうですね…」と力が抜けた返事をした
きっと北さんは天然なのだろう。
あたしやったからまだええけど、他の子にそんなこと言うたら完全に勘違いするで。
「北さん、女の子には気をつけてくださいね」
北「…?おぉ…?」
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さむつむ(プロフ) - 完結お疲れ様です…!毎日の癒しでした!あー完結して寂しいような…嬉しいような…… 最後、どちらの結末も読み終えて、幸せな気持ちになりました…!ありがとうございました! (2020年6月3日 9時) (レス) id: 0a4236f730 (このIDを非表示/違反報告)
チベット(プロフ) - あ"あ"終わってしまったあああ!!完結おめでとうございます!今まで読んでてとても楽しかったしドキドキ沢山させていただきました!寝る前の楽しみだったので完結してしまい少し悲しいですがとっても素敵な作品でしたありがとうございました!! (2020年6月3日 3時) (レス) id: fc3481bfe9 (このIDを非表示/違反報告)
なつき - 完結おめでとうございます!!1からずっと読ませていただきました。すごい好きで更新が楽しみでした!最高のお話ありがとうございました! (2020年6月2日 22時) (レス) id: 0d6f6a630f (このIDを非表示/違反報告)
りょう(プロフ) - 完結おめでとうございます!陰ながらずっと応援させていただきました、とてもおもしろかったです!!素敵な作品をありがとうございました!! (2020年6月2日 14時) (レス) id: 153681b261 (このIDを非表示/違反報告)
はつこ(プロフ) - 今までたくさん小説読んできましたが、1番ドキドキします!!続き楽しみに待ってます!素敵なお話ありがとうございます!! (2020年6月1日 11時) (レス) id: fac3cb87c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:な | 作成日時:2020年4月27日 16時