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その三、秘密 ページ3

マネージャーが入って1週間
だいぶ部活にも慣れ、仲間とも打ち解けていた

そんなある日の放課後、部活を終了しても体育館の電気がついていることに、天童たちが気づいた。

「若利が残ってんだろ?昨日もいた」

「でも、声聞こえてくるんだよね〜」

「他にも誰かいるのか?」

「見てくるか?」

山形、天童、瀬見、大平は体育館の扉を少し開け中を覗いた。
そこにはボールを持つ牛島とそのボールを受け取ろうとするAがいた。ただ少し、様子がおかしかった。
Aは顔を青くして少し冷や汗をかいているようだ。


『若利…ごめん、やっぱり僕は……』

「いや、構わない。無理をするのも良くはない…」

Aが手をおろし、牛島もボールを引下げた。

「あれ、何してんだろうね?」

「しっ…静かにしろよ、バレるだろ」

「何をしてる?」

「ほらぁあ!!」

ヒソヒソと話していた4人の前に牛島とAがやってきていた。

「いや〜明かりがついてたから何してんのかなぁって…」

「練習だ」

「若利くんの?」

「いやAのだ」

牛島の発言にAが慌てる
何かあるのだろう。必死に言わなくていいと牛島の口を塞ごうとしていた。


「いや、こいつらにも手伝ってもらおう。俺たちはもう、仲間なんだから」

『うっ……そう、だね…うん』

諦めと納得、その境にいるような表情を浮かべ牛島から身を引いた。

『ここで話すのもなんだし、寮に行こう。ちゃんと話すから……』

一同は体育館の片付けを済ませ、寮に向かった。


.

牛島と天童の部屋に入り、Aは重たい口を開いた。

『少し、長くなるかもしれない
それに、上手く話せないかもしれない』

悲しそうな横顔に彼らは良い話ではないのだろうと察した。

「いいよ、ゆっくりで。
お前の言葉で聞かせてくれ」

瀬見はそんなAの背に手を付き、慰めるようにさすった。


『ありがとう……
僕、実はバレーをやっていたんだ…』




__ここからしばらく過去編となります
最初にも書いてありますが、白鳥沢中等部は牛島と主人公のみです

その四、過去とバレー→←その二、彼は



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作者名:鳥屋 | 作成日時:2019年10月18日 17時

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