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緑谷side.
「＿＿＿＿……＿＿＿＿」
「うわヤオモモ超上手い…！！」
「八百万さん凄く上手いね…！！」
次々にクラスの皆が歌っていく。皆凄く上手くて、僕のなんて比べ物にならないくらいだったな。
＿＿＿＿ラスト、まだ歌ってない彼。
「さーぁ如月君！！君でやラストだよっ！！」
『えｯ、マジで言ってんの！？』
「「「マジで〜す！！」」」
『勘弁してくれよ、俺歌下手くそなんだって』
そう言いながらもマイクを受け取るA。やる気満々だね
凄く楽しみ
『曲は…』
「あ。如月この歌手知ってんだ、俺も好き」
『マジか。後で語ろうぜ』
…この前自分でコミュ障って言ってたのに全然話せてる
凄いなA
『下手くそだからツッコむな！！』
「分かってるって！！」
「ほいじゃ始めま〜す」
イントロが流れ始め、皆が静かになる。それよりも、曲が流れた瞬間にAの雰囲気が変わった事に驚いた。
「え…絶対上手くね？」
「なんかそんな気がする」
「めっちゃ楽しみ」
Aがすぅ、と息を吸い、口を開いた。
『＿＿＿＿＿＿＿』
Aの声に皆が目を見開かせる。待って、何処が下手くそなの？凄く上手いんだけど…
「待って如月チョー上手ぇじゃん」
「何処が下手くそなんだよ！？」
『＿＿＿＿……＿＿』
サビに入った頃には全員がAを見ていた(かっちゃんを除く)。いつもの違う雰囲気。美声。ビブラートめちゃくちゃ綺麗なのなんで？僕がやったら演歌みたいになる気しかない…
『＿＿＿……』
Aが歌い終え、アウトロが流れる中、大きい拍手が巻き起こった。音にびっくりしてAが肩を揺らす。そして、照れたように微笑んだ。
「如月めちゃくちゃ上手いじゃんかよ！！」
「下手くそ詐欺だ！！」
『下手くそ詐欺って何なん！？』
「如月さん、今度一緒にカラオケに行きませんか？一緒に歌ってみたい歌があるんです」
『え、いいの？俺なんかでいいの八百万さん！？？』
「勿論ですわ」
「もっかい聴きたい〜！！」と一部からアンコールがあったけど『人前で歌うの恥ずかしいんやからもう歌わんでな！？』と席に座ってしまった。僕ももう一回聴きたかったな…さっき上鳴君が動画撮ってたから送ってもらおう
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作者名：希 | 作成日時：2021年9月13日 13時
