Only Love Part 35

きりがない ページ45

俺自身、Aと結婚したくてしかたないけど、国籍のことまで考えたことはなかった。

「俺がAと結婚したら、日本人になれるの？」

「そうみたい。茜に訊いたら、外国人男性の場合、日本人女性と結婚したら、帰化申請の条件が緩和されるって言ってた」

難しい単語ばっかり…

でも、なんとなく意味はわかった。

「じゃあ、俺、日本人になるよ」

速攻で答えると、Aが「わ！！」と小さく叫んだ。

「どうしたの？A」

「ジェジュン。そんな重大なこと、即決したらダメだよ。ご家族がなんて言うか… 絶対ダメ。相談しないと。家族と友達と仕事関係の人と…」

おろおろするAを見て、俺は苦笑した。

「相談したって、どうせみんな駄目っていうに決まってるじゃん」

「え？」

「だったら、相談しないで決める。俺自身のことだから」

Aは黙ったまま、俺を抱きしめた。

俺も黙ってAを抱きしめる。

俺はずいぶん前から、自分が生まれた国なのに祖国に違和感を感じていた。

国を間違えて生まれてきてしまったのではないかと思うことがよくある。

こういうのを何不一致っていうのかな。

もしかして国籍同一性障害かもって、あとで知ったんだけど。

Aの背中をゆっくりと撫でていると、不思議な一体感を感じた。

まだ仲良くしてないのに。

早く、Aと仲良くしたい。

如月君がいるから、ここでは仲良くできない。

俺はAの手をひいて、寝室に行った。

しっかりドアを閉めると、とたんに身体の中心がどくんとなった。

心臓も高鳴っている。

俺、いったいどれだけAのことが好きなんだろう…

抱き寄せて、また唇を求める。

ほんとにきりがない。

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