Only Love Part 35

一件落着 ページ44

いや、こんなことでめげてはいけない。

「A、インスタ始めたらきっと楽しくなるよ。あはっ すげー楽しみぃ。登録名はYUKIRUにする？」

「それはNG。どこからバレるかわかったもんじゃないし」

「うーん、そんなに慎重にならなくても」

「いやいや。何度も言うけど、あなたはスーパースターなんだからね、ジェジュン。一般人じゃないの」

「その、スーパースターっていうの、やめてくれる？俺、Aの前じゃ、ただの男だから。それに…」

「それに、何？」

「Aがファンの男に最初のサインしたって聞いて、胸が張り裂けそうになったんだよぉ。俺にもっと優しくしてくれたっていいじゃん」

「それかー」

Aはようやくいつもの優しい顔になった。

「あっは やっとOKが出たみたいだね。よかった〜」

「私こそ、ごめん…」

「これで一件落着だねっ」

俺がそう言うと、Aは俺をじぃっと見た。

「どうかした？」

「ジェジュンの日本語。もう言葉の壁がない感じ」

「そんなことないよ。まだまだ知らない単語がたくさんあるし」

「生活には全く困らないでしょ。日本人になっても大丈夫ね」

「え？？」

とっさにAの言っている意味がわからなかった。

「あ、深い意味はないの。気にしないで？」

「気にするよぉ。どういうこと？」

「あのね…」

Aは少しためらったあと、驚くことを言った。

「もし、万が一、私と結婚したら、国籍を日本にすることもできるって…」

「コクセキ？」

「うん、如月が言ってた」

「俺がAの旦那さんになって、日本人になるっていうこと？」

「うん…」

ほんとにびっくりした。

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