Only Love Part 35

追加公演 ページ19

「ほんとにそう思う？」

「いや、逆にどうしてAはモデルをしないのかなって思ってたよ。撮影される側をしてれば、もっと容姿に磨きがかかるしね」

「でも、モデルって、体型維持とかなんとか禁止とか、色々厳しいことも多いよ」

ふたりは口々に意見を言ってくれる。

「本格的なモデルになるつもりはないの。ただ、幸田先生が仕事で私のことを撮りたいって言うし、撮影される側の心情とかの勉強になるかなって思って」

「うんうん、そうだよな。俺もよくモデル撮影するけど、写真を知ってるコの方が断然撮りやすい。仕事も早く終わる」

ふたりの意見は貴重だった。

私の心も、写される側の仕事を増やしてもいいかな、の方向へ確実に動いていた。

その夜は大いに盛り上がって、深夜に解散となった。

やはり友人と会うのは楽しい。

ソウルではこんなこと無いんだから…

「楽しく過ごされたようで、なによりです」

帰りの車の中で、如月が言った。

「友達っていいわね。大勢いなくてもいいし。私はラッキーなの。男女それぞれひとりずつ親友がいるから」

「はい。素晴らしいことでございます」

如月はそう言ってちらっと私を見て微笑した。

「何かあった？」

「お嬢様はまだご存知ないのでしょうか」

「だから何？」

「ジェジュン様のツアーの追加公演が決まったようですよ。大阪だそうです」

「え？！ほんとに？？？！！！」

驚いた。

あの事務所が…？

何か下心があるような気がして、嬉しいのに心のどこかがゾワっとなってしまった。

いやいや、考えすぎだろう。

「それからもうひとつ。本日、もう昨日ですが、広州のショーケースでジェジュン様は奥様がお作りになった豹柄のニットをお召しになってJust Another Girlをお歌いになりました」

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