【wrwrd】来世で再会する約束したけどさぁ、乙女ゲーの世界で再会はナイでしょ！

距離感大事にしようぜ！　14話 ページ16

な、なんでこんなに近いんだ！？



お前顔面偏差値バケモノなんだからもうちょい離れろや！



グル「全部声に出てるゾ」



えっまじか



『...それより、口大丈夫ですか？』



一応私だって心くらいは持ち合わせている


イタズラを仕掛けた張本人だが、心配しない訳じゃ無い




グル「大丈夫...といいたいところだが、何か甘いモノを持っていないか？」



そう聞かれ、バッグの中に入っていたチョコレートの存在を思い出す



『チョコレートならありますよ？』



そう言ってバッグから取り出すと案の定せがまれた



『しょうがないですね...』

と言ってグルッペンに渡した




それ最後の一つだったんだけどなぁ


グル「ん？食べたかったのか？」



思考が筒抜けだったのかそう聞いてくる




『いえ、そういう訳では無いですが...』



とか言ってたらグルッペンがやっぱりお前が
食べろとか言い出した



自分はいらないと言ったが無理矢理口に突っ込んでくる



(なんだ！？さっきの仕返しか？)


とか呑気に考えていたからか彼との距離が縮まるのに気が付かなかった




グル「...フッ、無防備だな」



『うぇ？』



視界が、影で暗くなったと思ったら
グルッペンとはゼロ距離だった



チュ、とリップ音を響かせ、グルッペンは私から離れた



『！？な、なにを』



グル「俺はこれで充分だ。なにせ、チョコレートよりも甘かったからな」



そう言って彼は意地悪そうに笑った



『....あれ？これ、遊ばれた感じ？』


だが彼は問いかけに答えず、
戸締まりよろしく頼むゾ、と言って去っていった



『な、な、なんなんだよアイツ！』


しばらく時間を置いてから私は部屋を出た





グルッペンside



「なんであんな事したんやろ...」


頭に浮かぶのはAとのキスの事だった



二人っきりになった時、どうしようもなく
彼女に触れたくなった



その結果あのザマだ


恐らく彼女に嫌われただろう




それに、俺と彼女は会って数日しか経ってない



それなのにどうしてだ！



(会って数日？本当に？)



どこからか少女の声が聞こえてくる



脳裏には白いベッドに誰かが横たわる光景が映る



他にも戦場に美しく舞う誰かの姿や仲間？達が笑い合う光景


だが思考が急に霧散した


「俺は一体なにを考えていたんだ？」



まぁいい


そろそろ下校時刻だから帰ろう






...明日の彼女の反応が楽しみだな

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