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『.....』


俺の言葉に、Aは黙ったままだった。


「...アンタがくたばるまで貫こうとしてた生き方、
 俺が全部....背負い投げしてくれるっつんだ
 ...A、アンタを...孤独のまま死なせねぇ」


すると、俺の腕の中でAが、
肩を小さく震わせていることに気付く。



ゆっくり体を離すと、
目から大粒の涙を零しているA。


『...っ..う...っ.....っ』



俺は何も言わず、黙ってAの涙を、
汚れの少ない手の甲で拭う。






それから、Aが落ち着くのを待って、
病室まで送り届け、その日は別れた。








Aと再会した日から、週に何度か、
仕事の合間を縫って、病院へ足を運んでいる。


会いに行っても、短くて15分、
長くても1時間いることはできない。


それでも、Aの顔を見られるだけで、
声が聴けるだけで、俺は十分だった。



....反面、こいつはいつ死ぬか分からない身。

まぁ、俺も似たようなもんだが。




だから、怖かった。


俺にとって、どんどんでかくなるAの存在が。



最初は、こいつがくたばるまで傍にいてやりてぇ、
その一心だったはずが、

Aを失いたくねぇ、死んでほしくねぇ...

そんなことまで、思うようになってしまっていた。





こんな気持ちを心に抱えながら、
Aとの、他愛のない会話を重ねていく。








月日は流れ、更に半年が経ち、
Aと出会ってから、1年が経とうとしていた。

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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎   
作品ジャンル:アニメ
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リヴ - ていさん» 私も銀魂の小説書いてます!ていさんほど上手くないですが、ぜひちらっと見ていただけたら嬉しいです!! (2021年1月5日 11時) (レス) id: 3a05cdac75 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - リヴさん» 勿体ない程のお褒めの言葉ありがとうございます(TT)完結まで暖かく見守ってくださると嬉しいです!! (2021年1月5日 11時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
リヴ - 語彙力が素晴らしいです!ていさんの作品色々読ませていただいたんですが、どれも面白くて…!尊敬してます!更新頑張ってください! (2021年1月5日 10時) (レス) id: 3a05cdac75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てい | 作成日時:2020年12月20日 6時

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