私は稀有な異能の子 ＊2＊【文スト】太宰治

名前 ページ23

※読者様が考えた異能力名で
作品を読んでいただきたいので、
よろしければ、目次の下、
異能力名の所に、ご自由に御設定下さい。
特に思いつかない、こだわりがない
という方は設定をしなくても大丈夫です。







太｢嗚呼。そうした方が愛着が湧くと
思わないかい？｣

｢うーん、どうしましょう｣


ゆっくりと私たちの身体は
渓谷の底へと吸い込まれていく。

私は異能力でバランスを取りながら
どうしようかと考える。


｢うーん……｣

太｢そんなに深く考えなくても
良いんじゃないかな｣

｢そうなんですかね？｣

太｢だって君の異能だろう？｣ﾆｺ


優しく笑う太宰さん。
その笑顔に胸がキュッとしてしまう。


｢あ、そう言えば太宰さん、
私、重くないですか？｣


それというのも、私は先程から
太宰さんに抱きかかえられているからだ。


太｢なぁに、Aはもう少し
体重を増やした方が……｣

｢増やしません！！｣


なんだかこうやって太宰さんと
会話出来るのが楽しいや。

私はとっくに太宰さんの事が好きだった
のかもしれない。

その時、ふとあるフレーズが
頭の中に流れてきた。


｢太宰さん、私、異能力の名前決めました…！｣

太｢お、何にするんだい？｣


｢ふふ、





"華陵之月"




なんてどうでしょう？｣

太｢いい名前じゃないか｣


(じゃあ、改めてよろしく、華陵之月。)



……




｢太宰さん〜！！！｣

太｢ん〜？｣


あの後、パラシュートは渓谷の
底まで着き、岩肌がめくれている
場所に私たちは降り立った。

そして、今は地上へと戻る道を
探している途中なのだが……


｢ちゃんと探してくださいー！！｣

太｢うんー、探してるー｣

｢さっきから本しか読んで
ないじゃないですか！！！｣


んー、と曖昧な返事をしながら
太宰さんは岩の上でゴロゴロしている。

日も傾いてきた。今日はもう上に
登るのは危険かな……


太｢A、また明日道を探そう、
これ以上は危険だ｣

｢そうですね…………って、
探してないのに！？｣

太｢ふふ｣


しょうがない、こうなったら
ここで野宿してやる！


｢異能力使おう……｣

太｢？ どうするんだい？｣

｢火起こしと薪(ﾏｷ)探し、それから
寝床になるような洞窟探し、あと
食料探ししますね……あ、寝床も作ろう｣

太(成長、か……)



……



｢魚美味しかったですね！｣

太｢うんうん｣


軽く夕食を終わらせ、早々に床についた。

太宰さんがある事を企んでいるとも
知らずに。

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