･２ ページ45
.
「…何してるの？」
向「…ちょっと待って、確かこっちに…」
慌ててズボンのポケットに手を突っ込んで、どこかにあるはずのあれを探る。
…あ、あった！
向「はい！これ！」
「…飴…？」
向「誕生日プレゼント、あげる」
「え、ええの…？」
たまたま入っていた、オレンジ味のキャンディ。
片手で握って、お皿みたいに差し出された両手の上へ、ころんと乗せる。
その飴の袋を見つめる目が、キラキラッと輝いて、
それまでほとんど変わらなかった表情が、ふんわりほどけていって。
「…ありがとう！」
にこにこ、ってたちまち無邪気な笑顔になった。
それが、あまりにも甘くて、不思議で。
また妙に気になってしまう。
向「ええよ、おめでとう」
「ありがとう。……名前、分からんけど。」
向「っおい！？」
ズコーっと、思わず分かりやすくコケる俺。
何や。ケラケラ笑いやがって。
向「むかいこーじ！！覚えといて！」
「うん…忘れてなかったら、覚えとく。」
向「忘れてなかったら…？ってそれ、当たり前のことやん！」
飴ちゃん握りしめた手で隠そうとしてるけど、全然隠れてないくしゃくしゃの笑顔。
…ちょっと近付きにくそうやと思ったのに、案外話しやすくて、でもやっぱどっか掴めへんような。
印象を追いかけてるうちに、ジャニーさんがまた思いついたようにこう言った。
「…Youたち、いつか一緒にパフォーマンスしなよ」
「…え？」
向「この子と、俺で…？」
一緒に？
顔を見合わせて、お互い首を傾げる。
…いや、
「「…いつかって、いつ…？」」
「はは、それは誰にも分からないね」
その笑い方は、何も考えていないようにも、全て分かっていたようにも思えた。
でも…女子と男子やで？
活動も関東と関西。
これから先、そんな一緒になる機会なんて…
.
向「…向井康二です、これからよろしくお願いします」
「楠Aです。…3人とも、これからよろしく」
…俺が入所して、もう既に10年以上が経った、2019年の1月。
俺は正式に、SnowManへの加入を果たした。
そしてそこにいたのは…オリジナルメンバーの6人と、
2015年に加入した、唯一の女性ジャニーズである楠Aだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒葡萄(プロフ) - にゃんころがりさん» こちらこそコメントありがとうございます！です！とっても嬉しいです(ˊᵕˋ)︎︎︎ (2022年10月15日 3時) (
レス) id: 9de473efb1 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんころがり(プロフ) - 更新ありがとうございます！今回更新分もすごく楽しかったです。読んでてニヤニヤしちゃいました(*^^*) (2022年10月14日 11時) (レス) @page50 id: 2f2c4b7be0 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - にゃんころがりさん» ありがとうございます！嬉しすぎます〜また楽しんでいただけたら幸いです*'ᵕ' (2022年10月5日 12時) (レス) id: 9de473efb1 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんころがり(プロフ) - 主人公ちゃんとメンバーさんとの絡みがほんのり甘くて、すごく面白いです。更新楽しみにしてます(^^) (2022年10月5日 1時) (レス) id: 2f2c4b7be0 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - 翡翠さん» こちらこそコメント嬉しいですありがとうございます〜！これからものんびり楽しんでください🫧 (2022年9月30日 23時) (レス) id: 9de473efb1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒葡萄
| 作成日時：2022年9月20日 7時
